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「2×4住宅」新設着工の伸び、なぜ?(2ページ目)

新設住宅着工の利用関係別に見ると、プレハブに比べてツーバイフォー(2×4)住宅の堅調がここのところ目立ちます。その理由を、最近伸びている企業事例をもとに探ってみましょう。

河名 紀子

執筆者:河名 紀子

家づくりトレンド情報ガイド


1000万円からはじめる家づくり

外観

ムダをそぎ落としたスクエア・シンプルな外観が若年層に受けているという(写真協力:以下いずれもベツダイ)

大分県に本社があり、九州でシェアを伸ばしている「ベツダイ」に取材する機会を得ました。この会社が出した規格型商品「ゼロキューブ」は、今の時代を如実に物語っている一つの2×4住宅といえます。

まるでブロックを組み合わせていくような感覚でライフスタイルをアレンジ可能。超シンプルでスクエアなフォルム。「本体価格は1000万円ポッキリ。そこに自分で好きなものを足していってください」という明確な価格設定。どこに何を払っているのか、若いユーザーでもコストパフォーマンスのよさが分かる。

室内

2×4工法が可能にする吹き抜け空間や明るさも人気

スクエアなシンプルは「モダンでスタイリッシュ」、「真四角だからデッドスペースがなくなる」「真っ白な室内は光の陰影が楽しめる」という分かりやすい説明。その白いキャンバスに住まい手が生き方を描いていってほしいーーという時代性を捉えたストーリー。

1000万円でも建物の基本性能は担保されていることを説明。たとえば地震対策面では「モノコック構造」、基礎は鉄筋の入ったコンクリート盤のベタ基礎のため、経年や地震による地盤沈下を防ぐほか、通風できる基礎パッキンを採用することで耐久性にも配慮。壁体内の湿気を排出・喚起する外壁換気システムも採用。事業者が倒産等しても瑕疵の補修費用が保証される瑕疵担保責任保険にも加入しています。

こうした基本性能は構造躯体で実現したうえで、「1000万円を基準に、それぞれのこだわりを足していく+FUN」という発想がユニーク。例えば「+box」は、スクエアな建物の横にもう一つ小さな箱の建物をくっつけ、和室とウッドデッキテラスをプラスするというもの。「+Eco」は+200万円で太陽光発電システムを、「+LOHAS」は無垢材フローリングや漆喰壁・調湿材をプラス。

キーワードは「価格の見える化」「自分でつくりこんでいく」

シンプル

最低限のシンプルな空間に、自分の好きなオプションを付け足していくスタイルが受け入れられているという

それぞれのオプションでプラスされる金額も明示されており、「1000万円が基準だから、それぞれの楽しさを積み上げても大幅に負担が増すことはありません」と断言しているところも、逆に予算の限られた若年ユーザーが安心するところなのでしょう。

なぜこうした2×4住宅の支持が拡大しているのか、同社の事例で何点か挙げると、
1.プロダクト化されていてプラン・オプション追加ごとに価格が明確で分かりやすく安心
2.プロダクト製品ゆえの超シンプルな規格化デザインが、プロダクト育ちの若年ユーザーには合理的・安っぽさを感じないモダンなデザインとして映っている
3.徹底したシステム化により大幅コストダウンを実現させ、最初の予算計画を明確に1000万円から考えやすく、若年ユーザーには安心
4.しかしこの世代の“他人と全く同じものはイヤ”というニーズには、オプションでのカスタマイズを用意
5.現役で多忙な若年ユーザーには、ゼロから作り上げていくのが面倒なことも。パッケージ化されているほうがラク。不要な設備や装飾をそぎ落とした提案が受け入れられている

…などでしょうか。自由設計ほどの自由度はないものの、安心できる基本性能とデザイン性・ほどよい価格でプランもパッケージ化された“わかりやすい住宅”として、今後も住宅市場での比率を増やしていくと考えられます。
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