今回のお話は木造の4階建て住宅についてです。「木造で4階建てって建てられるの?」という声が聞こえてきそうですが、現在は耐震性などが高まり、十分に対応が可能となっています。そこで、住友林業がこのほどオープンしたモデルハウスについてご紹介することで、木造住宅の4階建てがどうして可能になったのか、ご紹介していきます。

二世帯住宅&賃貸併用住宅の提案を盛り込む

キッチン

一般的に4階建てというとビルの様なつくりになってしまいがちだが、このモデルハウスはハウスメーカーであり木造住宅のノウハウを有する住友林業ならではの木質感があふれていた(クリックすると拡大します)

住友林業の初めての4階建てモデルハウスは、東京都大田区にある総合住宅展示場「馬込ハウジングギャラリー」内にあります。この展示場は、他のハウスメーカーも含め都市型住宅に特化され、3~5階建ての建物からなる展示内容になっています。

住友林業は木造軸組工法を主力とするハウスメーカーですが、他にツーバイフォー工法とオリジナルの木造工法「ビッグフレーム構法」があります。今回ご紹介する馬込のモデルハウスは、ツーバイフォー工法(商品名は「アーリーバード・フォー」)によるものです。

この4階建てのモデルハウスの中には二世帯住宅と賃貸併用の要素が盛り込まれています。つまり都市型住宅で必要とされる高度な提案がわかりやすいかたちで盛り込まれているのが特徴です。最近このようなモデルハウスの提案が、他のハウスメーカーも含め特に東京の中心部で増えてきました。

ところで、展示場がある地域は、大地震発生時には特に火災による被害が懸念されているエリアです。近くにある環状7号線は都内の交通・物流の大動脈ですから、特に防災には気を遣わなくては行けない地域でもあります。また、住宅密集地にありがちな狭小敷地が多い場所でもあります。

独自の工夫でツーバイフォー工法の耐震性を強化

壁体内部

モデルハウスの壁体内部の模型。耐火性能をアップするため、サイディングや軽量気泡コンクリートパネル、せっこうボードの二重貼りなどが施されている(クリックすると拡大します)

ですから、そうした居住地域は防火地域や準防火地域などに区分され、建築法規上、厳密に条件が設定されているのです。それが「都市型住宅」に求められることであり、特殊な工法や素材の使用が要求され、ですから都市型住宅の建築は大変になるのです(このほかに斜線制限などといった課題もあります)。

建築条件の厳しさは2階建てなど低層住宅でも基本は同じですが、こうした地域における特に3階以上の中層の住宅は従来、このような経緯から鉄骨系のプレハブ住宅やコンクリート系の住宅が主流となっていました。しかし、耐震性や防火性能の向上が進み、よって4階建てまでもが可能となったのです。

さて、ではそれらはどのような工夫によって可能になったのかをここからご説明します。まず耐震性については、ツーバイフォー工法の強化があげられます。ツーバイフォー工法は、つまり点や線ではなく面(耐力壁)で建物にかかる力に耐える構造です。

住友林業が4階建てを可能としたのは、これに加えて1階~4階までの耐力壁を長尺ボルトで固定し、それを緊密に結合する「アンカーダウンシステム」という仕組みが採用されているためです。4階建てになると、このように部材をしっかりとつなぎ止めるような工法上の工夫が必要になるのです。

さて、実は木造住宅で4階建てを可能とするのには、耐火性能の確保や強化がより重要になります。その点を次のページでご説明しましょう。