住みたい街 首都圏/通勤・買い物に便利な街

東京駅直通JR8路線 住み心地比較 3(2ページ目)

東京駅に直通するJR8路線は都心から千葉、神奈川、都下、埼玉と首都圏の各方面へ向かっています。当然、向かう方面、路線によって所要時間、住宅価格、賃料、そして街の雰囲気も違ってきます。順に見ていきましょう。

中川 寛子

執筆者:中川 寛子

住みやすい街選び(首都圏)ガイド


東京から西へ向かう幹線、東海道線。
歴史も人気もあり、便利な街が多数

品川の船宿

かつての東海道は品川あたりで海沿いを通っていた。品川から少し離れたエリアには当時の風情が残る

東京から神奈川県を経由して西に向かう方面には複数路線が重なり、並走しています。土地勘がない人間には、どの駅がどの路線上にあるかが分かりにくい部分もありますが、中心となっているのは、東海道線。この路線を中心に他路線がどのように分岐しているかと考えると、比較的分かりやすいだろうと思います。




東海道線は江戸時代の東海道からその名称を取った、日本で最初に開業(新橋~横浜間)した鉄道で、東京から横浜、静岡、名古屋、京都、大阪といった本州の主要都市を結び、神戸に至っています。そのうち、都心への通勤を前提に新たに家を買う、借りる人が多いのは神奈川県の平塚(平塚市)、大磯(大磯町)あたりまで。平塚~東京間は10駅、所要時間は1時間ちょっとですからドアツードアで考えると、通勤時間は1時間半近くというところでしょうか。首都圏以外にお住いだった方からすると、やや遠い印象があるかもしれません。


湘南新宿ライン

藤沢駅に入る湘南新宿ライン。これができたおかげで湘南エリアから都心へのルートが増え、混雑も緩和した

ただ、東海道線は本数が多く、通勤専用に定員を定めた列車(湘南ライナー。乗車券とは別にライナー券が必要)などもあり、利用駅、時間によっては座っての通勤も可能です。また、湘南新宿ラインやおはようライナー(渋谷経由新宿行の通勤列車)を利用すれば、東京駅だけでなく、渋谷、新宿、池袋などへもダイレクトにアクセスできます。お金は余分にかかりますが、湘南新宿ラインのグリーン席を利用、通勤時間を仕事の準備や読書、資格取得の勉強などに充てている人もいらっしゃるようです。


品川

品川では大規模なマンションが急増。シングル向きからファミリーまでタイプはさまざま

また、古い沿線だけにどの駅も個性があり、商店街、公共施設、公園などが充実しているのが特徴。住宅を買う、借りるで考えると、候補になってくるのは品川(港区、品川区)以遠ですが、価格、賃料は高め。駅東側では再開発による高層マンションが中心となっており、西側は高台で御殿山のような古くからのお屋敷街も一部残されいます。




ラゾーナ川崎

新しい川崎の名所、ラゾーナ川崎。これでイメージが一新した

川崎(川崎市幸区、川崎区)は駅西口の再開発で街のイメージが一新。内陸に向かう南武線沿線なども含めて、住宅開発が進んでいます。駅周辺には大規模商業施設にコンサートホール、映画館からちょっといかがわしい飲食店街までなんでも揃い、物価も手頃です。ちなみに東海道線の首都圏近郊エリアでは品川~川崎間、横浜~戸塚間が10キロ以上と距離があり、一駅間だからと思ってタクシーに乗ると大変なことになります。また、東海道線の最混雑区間は川崎~品川間で、191%(国土交通省公共交通機関の快適性・安心性評価指標 平成20年度末)、かなり混みます。


横浜駅

大型商業施設が建ち並ぶ横浜駅周辺。広大な地下街が広がり、土地勘がないと迷子になる……

横浜(横浜市西区、神奈川区)周辺は大規模店が集積、海側には大規模開発で生まれたマンションなどがありますが、それを除けばファミリー向きの住宅はあまり多くはなく、メインはカップル、ファミリー向きの賃貸。利便性は高いものの、環境という意味では市内の他駅のほうが良いように思います。




傾斜地

神奈川県では傾斜地が多いため、眺望は良いが、行きかえりが大変という場所も。チェックが必要だ

都心から横浜までは平坦な土地を走る東海道線ですが、戸塚(横浜市戸塚区)に向かっては丘陵地が増え、敷地内に複数棟が並ぶ大規模なマンションが目につくようにもなってきます。戸塚は駅前を国道1号線が走る交通の要衝で、神奈川県内のJRとしては横浜、川崎に次ぐ乗降客数のある駅です。かつては駅西口に小規模な商店街が密集していましたが、現在は再開発で生まれ変わりました。



大船の市場

鎌倉では地元産の野菜、魚が手に入る。賑わっている大船の市場

大船(鎌倉市)は駅西側にそびえる観音様で有名で、東口には活気ある商店街が。古都として知られる鎌倉市の中では庶民的な雰囲気のあるエリアで、鎌倉の台所とも呼ばれています。かつて映画人が住んだ街でもあります。





藤沢の住宅街

藤沢駅から海までの間には区画の大きな、一戸建て中心の住宅街が広がる

藤沢(藤沢市)以遠は海に近い街が増えます。東海道線南側には別荘地だった名残を残す住宅街が広がり、広壮という言葉がふさわしい邸宅もあちこちに。一方で駅周辺、幹線道路沿いには商店街、大規模店はあるものの、都心のような、すぐそこにコンビニがあって何でも買える生活からは少しずつ離れていきます。



辻堂海浜公園

大きなプールもある辻堂海浜公園。大きな駐車場があり、水遊び、サーフィンを楽しむ人が集まる

辻堂(藤沢市、茅ケ崎市)では駅北口で大規模な開発が行われており、住宅や大規模商業施設、病院建設が計画されています。平成23年、24年にかけて順次竣工の予定ですから、街は今後、大きく変わることでしょう。






茅ケ崎のビーチ

藤沢以遠、海の近い街が増え、マリンスポーツその他を楽しみたいために引っ越すという人も

駅南側の商店街、住宅街、ビーチへと続くのんびりした雰囲気と異なり、北側には大規模商業施設が連なり、異なる表情を見せる街、茅ケ崎。どこか瀟洒なリゾート感覚があり、マリンスポーツやテニスなどを楽しむ人の姿を多く見かける場所です。





相模川を渡ると七夕で有名な平塚。最近ではサッカーでも知られています。お隣大磯は駅前に商業施設が並ぶ、ここまでの他駅とは異なり、山と海が近い、こじんまりした街。吉田茂など明治の政界人が別荘を構えたことで有名な街です。

続いては京浜東北線(南)を見ていきます。

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