労務管理リスクマニュアルの整備と見直し
労務管理リスクの洗い出しからマニュアル作りが始まります
なぜ定期的に実施しなければならないのでしょう。もちろん従業員の意識が薄れないようにするためですが、実施するたびにマニュアルなどの改訂が進むからなのです。新たなリスクが次々に想定されていますので、常に対応できるようにマニュアルの見直しをしていくことがポイントとなります。
天災事変での対応手順
■緊急事態発生時対応被害を拡大しないために従業員の安全確保、消防や警察への連絡、リスクマネージャーを中心に正確な情報収集、発信などを行う。特に各事業所との相互連絡がポイント。外線、内線電話、携帯電話、メールアドレスなど様々な手段をとっていきましょう。従業員がバラバラな行動を取らないように対応することが大事です。
■緊急事態収束への対応
従業員の安全確保など発生時対応が取れた段階で、事態が収束に向かうように行動(火災などでは消化活動)。従業員の帰宅が困難な場合などの対応(会社内が安全であることが確認できたら、会社内待機など)。従業員の安否確認や自社の被害状況の確認が即始まります。
■緊急事態終結の対応
リスクマネージャーは、経営者と相談の上、会社としての従業員への支援策を決定実施。就業規則の内容を確認し実施しますが、緊急事態の場合は特例として被災従業員への貸付金制度を設けたり、特別休暇の付与、救援物資の提供、慶弔見舞金制度を設けるなども考えられるでしょう。
被害の確認等、自社における損害賠償の有無を確認。責任を負う場合と請求ができる場合があります。加害者となった場合には、被害者への対応。また場合によってはマスコミ対応も考えられます。
緊急連絡網の整備
緊急事態が発生した場合には、前記のとおりリスクマネージャーに情報の集約をします。また、当該マネージャーから適格な情報を伝達することが大切です。企業では社内組織図を作成しているところも多いですが、これとは別に緊急連絡網を整備し社内周知を図りましょう。代表取締役(社長)から各役員、各部長、各課長、など一般職にいたるまでどういうフローで連絡をするのか決めます。その上で、多くの連絡手段を記載します。現在では、次のようなものが考えられます。
社内外線電話、社内内線電話、自宅電話、携帯電話、携帯メールアドレス、パソコンメールアドレスなどです。緊急事態が発生すると、電話回線が一時不通となることがありますので、各種のメールなどを有効に使用することで連絡が取れることがあります。
また、出張、旅行などで、連絡が取れないような状況もありえます。そうした際には、従業員はスケジュールなどをあらかじめ、上司に連絡しておくことも考えるとよいでしょう。
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労務リスクマネジメント以外にも企業は様々なリスクに対してマネジメントをしておく必要があります。経済産業省による、企業のリスクマネジメント実践テキストと経営者が押さえておきたい7つのポイントをご紹介します。
経済産業省リスクマネジメントテキスト紹介ページ