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エクストレイルはクリーンディーゼルがお買い得!(2ページ目)

エコなのがもはや当たり前。ですから本来はこのディーゼルターボはもっと高くてもおかしくはないんですが、みなさんハイブリッドカーに目がいきがちだからでしょうか、クリーンディーゼルモデルがやけに安いんです。ただし台数は少ないですから、早い者勝ち?

籠島 康弘

執筆者:籠島 康弘

中古車ガイド

MTで、トルクフルなエンジンで走らせる楽しさ!

20GTが登場した2008年9月頃は、すでに2代目のトヨタプリウスに象徴される、ハイブリッドカー時代に突入していました。いっぽうで日本でのディーゼルのイメージは、東京都などの規制などにより、「黒煙をまきちらす」ダーティなイメージがあります。しかし欧州では今でもディーゼル車は人気で、このエクストレイルも、欧州ではディーゼル車が販売されていました。

エクストレイル  シート

防水加工はなく、かわりに普通の車同様の、クロスシート。ただし後席中央にヘッドレストが備わったり、後席コートハンガーやステップランプが付いたりなどしています。なお、写真はマイチェン後の20GTの写真ですので詳細が異なります

20GTに搭載されたエンジンは、この欧州仕様のディーゼル車のものを、さらにポスト新長期規制に合うように改良されたもの。それもあって、ベース車自体がそもそも欧州用エクストレイルなのです。ですから足回りも、欧州仕様をベースに、日本市場向けにセッティングし直されたものですから、SUVとしては結構コーナリングも楽しめたりします。

そういうところも、私のような人間の心をくすぐるところではありますが、何よりもやはり20GTの魅力と言えば、このトルクフルな走りです。最高出力は173ps/3750rpmと平凡ですが、最大トルク36.7kg-mをわずか2000rpmで発揮します。発進時のクラッチ操作もラクラクなのはもちろん(しかもヒルスタートアシスト付き)、高速クルージングなどはまぁ快適。先述した3年で11.2万km走った中古車があるというのもうなずけます。2Lという排気量にダマされてはいけません。メーカーの言うとおり、走りに関しては2.5Lガソリン車クラスです。

エクストレイル ウオッシャブルダブルラゲッジ

ラゲッジはエクストレイルと同じく、丸洗いできるという、SUVをちゃんと使う人にとっては嬉しいもの。下段はさゆうそれぞれ引き出しになっています(左側はディーラーオプション。現行型ですから、すぐ買えますよ)

いかにハイブリッドカー時代であろうと、日本でディーゼルの人気が無かろうと、当時はまだハイブリッドカーも電気自動車も無かった日産としては、とにかく早く「クリーン」とか「エコ」であることを打ち出す必要があったのだと思われます。ですから商売的には不利なディーゼルで、しかも6MT、さらにはわざわざ欧州車をベースにしてまで、この20GTを投入したのでしょう。実際、前に述べたように、2010年のマイナーチェンジには6AT車を追加したのですから、本来はここまで待つことも出来たはず。それでも急いで出したかったため、ATよりポスト新長期規制に即対応しやすかった6MTを積んで、日本に持ってきたというところでしょう。

エクストレイルという車を、アウトドアレジャーの相棒として使いたいなら、他のグレードのほうが良いかもしれません。ポップアップステアリング機構や防水加工シートもありますからね。しかし、本気でアウトドアにのめり込んでガンガン使い倒すなら(つまりもっとタフなギアをお求めなら)、長距離を、燃費や燃料費も含めて、ラクラクこなす20GTのほうが合っていると思います。言わば「大人のエクストレイル」という感じでしょうか。

ちなみに、2010年に追加されたばかりの6ATの20GT、新車時価格308万7000円が原稿執筆時点での最安値が248.8万円。わずか走行距離1000km(!)にも関わらず、日産の中古車ディーラーで販売されています。う~ん、ディーゼルって、そんなに嫌われているのかな……。ま、その分、我々のような人間にはありがたいんですけれどね。

このように、しっかり調べてみればお買い得な車種は意外とあるものです。あなたも一度、探してみてはいかがでしょう。

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