住みたい街 首都圏/通勤・買い物に便利な街

東京駅直通JR8路線 住み心地比較2(2ページ目)

東京駅に直通するJR8路線は都心から千葉、神奈川、都下、埼玉と首都圏の各方面へ向かっています。当然、向かう方面、路線によって所要時間、住宅価格、賃料、そして街の雰囲気も違ってきます。順に見ていきましょう。

中川 寛子

執筆者:中川 寛子

住みやすい街選び(首都圏)ガイド


首都圏トップクラスの運転本数を誇る
京浜東北線(北)は途中始発駅も多数

京浜東北線駅

本数が多く、利用しやすいのが京浜東北線の特徴。ただし、行先が異なることがあるので注意

東京駅から北へ、埼玉県大宮駅(埼玉県さいたま市)を結ぶ京浜東北線。路線としては東京駅から南の横浜を経由、根岸線と一体になって大船駅(神奈川県鎌倉市)に至る長い路線ですが、今回取り上げるのは北側のみ。南側については東京駅直通JR8路線 住み心地比較3で神奈川方面への路線として取り上げます。




埼京線

新しい路線だけに、価格面では割安感のある埼京線。りんかい線と乗り入れており、湾岸へもダイレクト

さて、京浜東北線は東京駅から田端駅(北区)までは山手線と並走、赤羽駅(北区)~大宮駅間は埼京線と並行して走りますが、相場としては京浜東北線のほうが高め。この違いは路線の歴史によるもので、京浜東北線のうち、東京駅~高島町駅(神奈川県横浜市。JRの駅としては現存せず)が開業したのは1914年(大正3年)、赤羽駅~大宮駅間はそれよりは遅いものの、1932年(昭和7年)で、埼京線は1985年(昭和60年)。早くから開発された街のほうが利便性が高く、それに応じて価格も高くなるのです。

これは埼玉方面に向かう2路線に限ったことではなく、他路線でもいえること。たとえば、次ページで取り上げる中央線(快速)は新宿を始発とする小田急線、京王線よりも古く、1989年(明治22年)に新宿~八王子間が開業(当時は甲武鉄道)しています。小田急小田原線全線開通は1927年(昭和2年)、京王線新宿駅~府中駅間は1916年(大正5年)で、駅によって多少の差はあるものの、価格、人気は中央線が他線を圧倒しています。

京浜東北線全般で特筆しておきたいのは、首都圏のJR路線のうちでもトップクラスの運転本数の多さ。駅によっては2~3分に1本の列車があるほどです。また、大宮駅、大船駅以外にも、南浦和駅(さいたま市)、赤羽駅、東十条駅、田端駅(以上3駅北区。北側のみ)と路線途中での始発駅が複数あるのも特徴で、これらの駅なら座って通勤も可能というわけです。

都心から埼玉県主要都市へ
変化し続ける街も多数

赤羽飲食店街

かつて軍都と呼ばれた赤羽駅周辺には軍施設を訪れた人たちなどが集まる飲食店街があり、今も雰囲気が残る

では、具体的な街を見ていきましょう。東京駅~田端駅間は山手線と重なりますので、そちらを見てください。以降の都内部で利便性、住宅供給面から目立つのは赤羽駅。駅の東西には大規模商業施設、商店街、飲食店街があり、一種猥雑な独特の雰囲気があります。東側は平坦ですが、西側は急な坂、高台。古くから人が住んでいた地で弥生時代などの遺跡も多く発見されています。



西川口

西川口では街の美化のため、花を植える運動が行われている

荒川を渡ると埼玉県川口市。かつては鋳物工場の並ぶ工業エリアでしたが、近年はタワーマンションが林立する街に。長年にわたる再開発で川口駅周辺も大きく様変わりしています。お隣、西川口は風俗、ギャンブルのイメージから脱却、マンションの供給も目につくようになってきました。




蕨市

コンパクトな街ながら、人間関係の豊かさが住む魅力という蕨市

蕨駅のある蕨市は日本最小の市で、その分、お祭りその他への住民参加が活発。一度住み始めると、離れられないという人も多いと聞きます。南浦和駅(以降、すべての駅がさいたま市)は武蔵野線と交差、2線が使えるため、利便性重視で選ぶ人が多い街。駅周辺には遅くまで営業するスーパー、進学塾、予備校などが目につきます。サッカーと歴史の街、浦和はさいたま市の中でも文教地区のイメージが強く、駅から離れるとお屋敷が並ぶエリアも点在しています。埼玉県庁、さいたま市役所などもあり、県政の中心地でもあります。

県立近代美術館

北浦和公園内にある県立近代美術館。建物自体もモダン

お隣北浦和は県立近代美術館や県内有数の進学校浦和高校などがあり、コンパクトながら、様々な表情を持つ街です。与野駅は2001年(平成13年)の合併まで存在した与野市唯一の駅で、市域は現在のさいたま市中央区とほぼ同一。西口は再開発で生まれたタワーマンションなどがあるものの、全体としてはのんびりした雰囲気の街です。



さいたまスーパーアリーナ

さいたま新都心にあるさいたまスーパーアリーナ。駅周辺にはこうした大規模施設が多い

近代的なビルが建ち並び、他駅とはまったく異なる印象があるさいたま新都心駅は2000年(平成12年)開業の新しい駅。旧・日本国有鉄道(国鉄)の大宮操車場跡地を再開発したさいたま新都心へのアクセスのために作られた駅で、駅周辺には高層のビル群、少し離れて大規模マンション群が林立しています。埼京線北与野駅と隣接しており、2線2駅が利用できます。



大宮公園の桜

大宮公園の桜。広大な公園内には動物園があったり、スポーツ施設があったりと1日楽しめる場所

終着駅の大宮は埼玉県の商業の中心地。駅の東西には大規模商業施設、商店街が広がります。また、浦和と並んで歴史の街でもあり、2000年以上の歴史を持つといわれる氷川神社があり、その裏には広大な大宮公園も。桜の名所でもあります。東京駅からは50分弱です。




続いては人気の中央線(快速)を見ていきましょう。

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます