江戸時代以前から栄えた街、
街中には歴史を感じる風情も

調神社
旧中山道沿いにある調神社。狛犬ではなく、狛兎がいること、鳥居がないことなどで知られる。周辺には古い街並みや巨木が残る
江戸時代の五街道のひとつ、中山道の宿場町だったことで知られる浦和ですが、歴史はそれよりも遥かに古く、1万数千年前から人が住んでいたと言われています。例えば、旧中山道沿いにある調神社(つきじんじゃ)は社伝で開化天皇3年(紀元前156年)の創建と伝えられており、社名となっている調は律令制の税、租庸調のうちの調と言われています。また、戦国時代には周辺から人が集まり、盛大な市が開かれていたとも伝えられており、古くから人が集まる場所であったことが分かります。

旧中山道
旧中山道沿いには商店などが並び、一部には古い建物も残されていた
現在も駅の西側には旧中山道、現在の中山道(国道17号)が走っており、旧中山道沿いにはごく一部ですが、かつての面影を伝える商家も残されています。社寺も多く、中には弘法大師によって開かれたと伝えられる寺院などもあり、街を歩いてみると、駅前の繁華の雰囲気とは異なる風情を感じることができます。

鰻店
県庁近くで見かけた鰻店。かつてこのあたりには湖沼が多く、地元で産したという。駅前には鰻をマスコット化したうなこちゃんなる像まで立てられている
ちなみに今もそうですが、往時から浦和の名物は鰻。蕨、浦和を越すと店がなく、食べられなくなるため、浦和で鰻を食べ納めてから旅をするのが一般的だったとも言われ、今もこの界隈には老舗の鰻屋さんが多数残っています。中には創業不詳というほど古い店もあるほどで、当時は埼京線中浦和駅に近い別所沼で獲れていたそうです。

県庁、さいたま市役所などが集まる
県政の中心地


埼玉県庁
埼玉県庁。周辺には県政に関係する公共団体、業界団体などの施設なども集まっている
さて、その浦和が県政の中心となったのは明治2年。浦和県庁(当時の県名は浦和県)が置かれ、同4年には県名、県域変更に伴い、埼玉県庁となり、以降今日まで県都として発展を遂げてきています。これまで明治19年、同30年、昭和24年と、県内では3度にわたり、県庁移転問題が生じてきていますが、最終的には県都としての地位は揺るがず、今日に至っています。

さいたま市役所
国道17号沿いにあるさいたま市役所。市民ギャラリーや広場などがある
現在、県庁があるのは駅の西口側。伊勢丹やコルソといった大規模商業施設のある駅前から県庁につながる県庁通りを行くと、旧中山道を越えた高台に県庁があり、周辺にはさいたま地方裁判所や県警本部、商工会議所、県民健康センターなどが集まっています。さらにその少し先、国道17号沿いにはさいたま市役所、浦和区役所などが立地。このエリアには企業や放送局、新聞社などのオフィスも集中しており、まさに県都と呼ぶにふさわしい雰囲気の場所です。

商業施設や文化施設、進学校に、
熱狂的なサッカーファンも多い街

西口駅前
西口駅前。伊勢丹、コルソという大規模商業施設があり、伊勢丹の裏手には仲町商店街、さくら草通りなどの商店街がある
西口側には政治だけでなく、商業施設も多く集まっています。ロータリーを囲んでは前出の伊勢丹などの大型店が並び、その両側には商店街、飲食店街なども集中、買い物に、飲食に便利な場所となっています。また、旧中山道沿いも商店街となっており、駅から旧中山道までの通りのいくつかも同様。平日の昼間でも人通りの多い、賑やかなエリアです。

うらわ美術館
再開発で生まれた複合ビル、浦和センチュリーシティ内にあるうらわ美術館。目の前の通りが旧中山道
また、この街には図書館や美術館などの文化施設も集まっています。図書館は駅西口側には県立浦和図書館、東口側にさいたま市立図書館があるというなんとも恵まれた環境にあり、旧中山道沿いの旧浦和市庁舎跡地には浦和ゆかりの画家の作品を集めた、うらわ美術館も。関東大震災の後、浦和には画家、陶芸家など多くの美術家が移り住んできており、そうした伝統が残されているというわけです。

埼玉大学付属中学校
別所沼近くにある埼玉大学付属中学校。近くには小学校もあり、地元での人気は高い
文教エリアとしての名声も忘れてはいけないところ。埼玉県は首都圏内では進学実績の高い公立高校が多く、旧浦和市内では浦和高校、浦和第一女子高校、市立浦和高校などがその代表。浦和高校、市立浦和高校の最寄駅はお隣北浦和ですが、エリア全体の教育熱心さは見て取れるというもの。私立の有名校もあり、浦和駅周辺には学習塾、予備校などが多く集まっています。

駅前の手すり
駅周辺にはチームのマスコットとサッカーボールがあちこちに。選手の足型、手形が飾られていたりもした
もうひとつ、忘れてはならないのが熱狂的なサッカーファンの多い街という側面です。駅を降りると街灯にはこの街をホームとするJリーグ浦和レッドダイヤモンズの赤い旗が翻り、街のあちこちにチームのマスコットやサッカーボール、選手たちの写真が飾られています。浦和レッズはJリーグ発足当初からのチームのひとつで、他チームに比べるとダントツの観客動員数、営業収入を上げていますが、それは地元の人たちの熱い支持に支えられたもの。もともと、浦和高校や市立浦和高校など、全国高等学校サッカー選手権大会での優勝経験のあるチームが多かった土地柄からか、時にはニュースになるほど、熱いファンがいるのです。地元のチームの話題で盛り上がれる街に住むのも面白そうです。

続いて浦和駅東口再開発と便利になる足回りを取り上げます。