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メキシコ生まれの張り子人形、ルピータ(2ページ目)

メキシコ革命時代に生まれた、可愛くて懐かしい張り子の人形、ルピータ。メキシコの民芸品、おもちゃの境界にあったルピータが、いま再注目されています。日本でも2011年4月に展覧会が開催されるルピータのプロジェクトについて紹介します。

長屋 美保

執筆者:長屋 美保

メキシコガイド

個人の創造性をかたちにする、ルピータのワークショップ

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ワークショップの最終日にはルピータのファッションショー仕立ての発表会が

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なんとも自由な発想。男性で長髪のルピータまで登場!

2010年からカロリナさんが指導を行う、メキシコシティ中心部の下町にあるタラベラ文化センターでの『ミス・ルピータ・プロジェクト』も2011年で3期目。2週間ほどでルピータの制作が行われます。ワークショップの様子を見学させてもらいました。

生徒は30名ほどの大人たちで、様々な世代の男女が制作を行っています。初老の男性が、とても可愛らしい伝統的なルピータを作っているのが印象的でした。昔遊んだルピータを懐かしんで作っている女性や、コテコテのデコレーションで斬新なルピータを彩る青年まで、それぞれの想いが現れています。

ワークショップの最終日には、完成した人形をファッションショー形式で発表します。文化センターの前の路上にキャットウォーク用のビロードの布を敷いた台を置き、そこに作者自身が制作したルピータを歩かせていきます。生徒たちが生んだルピータは、ヒゲを蓄えた男性、東洋風のもの、タトゥーが入っているもの、アニメのキャラクター、ホラーっぽいものと様々で、作り手の個性がダイレクトに現れています。カメラを持った人たちがルピータの周りに集まり、シャッターチャンスを狙い、セクシーなルピータには周囲から熱烈なラブコールがあがることも。なかなか微笑ましい光景です。

発表が終わると文化センター併設のギャラリーに展示して人気投票を行います。最も人気の高いものに賞が贈与されるというもの。このファッションショーで、我がルピータをお披露目することに、とても充足感があるのでしょう。初回から開講ごとに受講するリピーターの生徒も多いようです。また、このワークショップをきっかけに、ルピータ制作職人になった人もいるようです。

そして、この小さなプロジェクトが多くの人々の共感を呼び、新聞やテレビでも取材され、いまではメキシコの文化財団や民芸品協会の支援を受けるまでになりました。メキシコの民芸や文化を代表するプロジェクトに成長しつつあるのです。
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