事業所見学で実態チェック
働きたい職場を絞りこんだ後は事業所見学をお勧めします。事業所の応対や具体的な説明など真摯に向き合おうとする事業所の姿勢からも、運営の方向性がうかがえます。職員の接客応対や、勤務風景と入居者や利用者の表情を観察することで職場の雰囲気が感じ取れます。さらには「事業所が運営上大切にしている部分」や「新人教育の内容」などを質問してみて下さい。応募者に伝わるような説明ができる事業所は、日ごろから採用活動を重んじていることが伺えます。
将来を視野に入れた自己目標をかかげる
将来を考えた視点も大切です
今までの経験を振り返り、目の前の問題だけにとらわれず、将来の目標をしっかり定めた上で事業所を選択することが失敗しない求職活動のポイントです。具体的には下記のような大枠で考えていきます。
■現場勤務で専門性を極めたい
自分は在宅介護、施設介護のどちらを深めたいのかを判断し、事業所を選定しましょう。代表的な例を紹介します。
利用者を尊重し、コミュニケーション力が必要なケアに携わりたいという人は、軽度利用者のいるケアハウス、有料老人ホーム、デイサービス、グループホームなどを選択するとよいでしょう。
重度の要介護者でも適切に対応できる技術や知識を学びたい。こういう人は特別養護老人ホーム、療養型病床群、24時間看護師配置の有料老人ホームなどに進むべきです。
利用者の生活を踏まえた介護を学びたい。こういう人は訪問介護、訪問入浴などの事業所で頑張ることを勧めます。
■現場経験をベースに新しい職種を目指したい
訪問介護事業所のサービス提供責任者、施設や在宅の介護支援専門員、デイサービスや介護付有料老人ホームなどの生活相談員など新しい職種に転職する道もあります。
将来的にそれらの職種を目指すのであれば、目的の事業所がある併設型の事業所、複合型の事業所への勤務をお勧めします。ただしその場合、他部署への異動命令も考えられます。常日頃から上司に対し、目標に向かって努力している姿勢を表現しておきましょう。
■現場経験を活かし自分の活躍の場を広げたい
組織(職場関係者)を通じて自分の目指す介護を実現したり、介護事業の運営や経営に携わりたい方は、介護リーダー、施設長、管理者などの求人を探すことになります。また将来的にそのポジションを目指したいと考えている場合は、それらのポジションが多い複数の事業所を運営している会社や、コンスタントに新設事業を拡大している会社への就職をお勧めします。
このように、自分の定めた目標によって、選ぶ事業所や求人職種も異なってきます。資格制度のみならず、自分がどのようになりたいのかを考え行動することが自己実現につながっていきます。自己実現を目指す原動力は、職場環境や諸条件が変化しても、自分の仕事を継続する糧となるでしょう。
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