長期優良住宅/長く暮らせる家

家を建てるときに考えたい仏壇のこと(2ページ目)

みなさんのお宅に仏壇はありますか? 仏壇を購入した方にきっかけを聞いてみると、身内の方が亡くなったからという理由に続いて多いのは、新築やリフォーム、引っ越しのときなのだとか。家づくりの際は、お仏壇をどこに置くのかということも考えてプランニングするとよさそうです。

大塚 有美

執筆者:大塚 有美

長く暮らせる家づくりガイド


仏壇を安置する場所はどの方角がいい?

仏壇をどこに置くのか、どの方角に置いたらいいのかについては、宗派やしきたりによって考え方がいくつかあるようです。

例えば、北を背にして南向きに仏壇を億「南面北座」や、西を背にして東向きに置く「東面西座」のほか、仏壇に手を合わせるときに本山に手を合わせることになるように本山を背にするとよいなど、さまざまです。

もし、これらの考え方に沿った場所に仏壇をおきたいのなら、あらかじめ仏壇を安置する場所を決めて、プランニングを進めていく必要があります。しかし、現代の生活や住宅事情から考えれば、南向きや東向きといったことよりも、日常生活の中で家族が自然に手を合わせられる場所に置くのがいいのではないでしょうか。逆に、玄関のように、人が留まらず通過してしまう場所は、どの宗派でもよくない場所とされているようです。

扉や仏具のことを考え、スペースにゆとりを

小型仏壇

仏壇の扉は常時開いているので、設計の際は扉の分をわすれずに 写真/2点とも(株)八木研

家の設計をする際、仏壇のスペースを考えるときは安置する場所にゆとりを確保することが大切です。すでに仏壇が手元にある場合は、サイズを測っておけばいいのですが、注意すべきは扉。仏壇は扉を常時開いておくので、扉のスペースを忘れずに計算に入れるようにします。

さらに、リンやリン棒、ロウソク立てやお線香立て、お供えものやお膳など手前に置くことになるので、これらを並べておけるだけのスペースを確保しておくことが大切です。

リビングにふさわしい新しいスタイルの仏壇

前ページのアンケートからもわかるように、最近は仏間に仏壇を置くというより、リビングなど長い時間人がいる場所に置く家庭が増えています。そうなると、気になるのが仏壇のデザイン。近ごろは、こういった要望に応えるため、家具のような洒落たデザインのタイプや、小型の仏壇など、リビングにあっても違和感を感じさせないものがたくさん販売されています。

仏壇とは縁のない生活をしている人でも、長く暮らしていると、身内に不幸が訪れることもあります。そういったことも含め、将来の変化を予想して、できるだけ手を加えずに対応できるように、間取りや家具の配置を考えておくとよいでしょう。

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