運用3号制度とは?

まずは、年金制度の基本から復習してみましょう。20歳~60歳の日本人全員は国民年金保険制度に加入しています。被保険者の種別は1号・2号・3号の3種類。2号被保険者は会社や役所に雇われているサラリーマン(サラリーウーマンも)、3号被保険者は2号被保険者に扶養されている配偶者(妻に限らず)、1号被保険者は2号でも3号でもない人(自営・自由業者とその妻、学生、フリーター、無職など)です。以下、被保険者は略します。

保険料は、2号は会社と折半なので本人は半額、1号は各人で納めます。3号は本人負担はなく、2号全体で負担しています。3号であるサラリーマンの妻の中には、妻の保険料は「夫が納めている」と思っている人もいるようですが、夫が2人分の保険料を納めているわけではありません。2号全体で負担しているので「夫も納めている」が正解です。

国民年金は40年間にわたって保険料を納めると、65歳から満額(現在は月約6.6万円)の基礎年金がもらえるようになります。基礎年金をもらうには、25年の納付期間が必要で、満たさないと年金が減額される、あるいは無年金になります。

さて、今、巷で物議を醸しているのは、夫が脱サラやリストラでサラリーマンではなくなった、サラリーマンの夫が死亡した、サラリーマンの夫と離婚した、妻自身が年収130万円以上になり扶養から外れた、という状況変化で3号から1号への種別変更手続きが必要だったにもかかわらず、手続きをしていない元3号の取り扱いについてです。この場合、ルール通りに運用すると、1号として保険料を未納にしていることになり、低年金または無年金となります。

それは、まずいでしょうということで、平成17年ごろから、年金の切り替え忘れをしている人に呼びかけを行いました。それを受けて、約300万人が手続きを行い1号として保険料の納付(免除も含む)も行っています。ところが、それでも切り替え忘れをしている人が約100万人いるとされ、この人たちを救済する制度が1月からスタートしました。その制度が「運用3号」です。

運用3号制度は凍結。新たな2案が浮上

運用3号は、国民年金保険料を過去2年分(約36万円)納付すれば、2年以上前の分は保険料を納付しなくても、3号期間として認めるというもの。と聞くと、低年金や無年金になる人を救済するいい制度だと思うかもしれません。でも、「保険料を納めなくても、納めた人と同じ年金額をもらえるのは不公平」、「それでは正直者はバカをみる」、「知らないとトクするのはおかしい」と不評をかっているのです。ちなみに、運用3号の救済に使われるお金は、年金保険料と税金です。

そんな世論を受けて、政府は、2月24日、運用3号制度を凍結。新しい救済案を検討することになりました。現在、その案として、下記の2つが浮上しています。

  1. 現行法では、保険料の追納は過去2年分しかできないので、この規定を期間限定でなくし、未納期間の保険料を納付できるようにする。
  2. 未納期間を国民年金に加入していたと認め、「カラ期間」とする。カラ期間分は年金額を減額する。
2つの案のどちらかに決まるのか、さらに内容がもまれるのか、はたまた、第3、第4の案が出てくるのか……。3月末までに救済措置を決めるそうです。

さて、みなさんは、運用3号制度をどう考えますか? そして、候補に上がっている案についてどう思いますか? さらに、年金制度の負担と給付はどうあるのが公平なのかも、ぜひ、考えてみてください。この問題が浮上したのは、年金制度だけでなく、社会保障制度全体について考えるいいきっかけだと思います。


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