建築家・設計事務所/建築家住宅の実例

三角形の狭小地に建つ極限住宅[東玉川の家]

都内でも屈指の交通量の街道沿いに建った、母親と息子の2人が暮らすコンクリートの住宅。変形の狭小地という厳しい条件に負けない、都市に暮らすのための最小単位の砦が完成しました。

執筆者:川畑 博哉

今から2年前、Mさんはお母様と暮らすための家を「スモールハウス」で探し始めました。そこで出会ったのが、田園調布からほど近い環八に面した、底辺5.2m、高さ8.6m、斜辺10mの三角定規の形の土地でした。広さはわずか7.6坪ですが、この地に建築面積5坪の家を建てて住むと決めたのです。このMさん親子の夢は、数多くの難しい物件をこなしてきたベテラン建築家、スタジオ・ノアの森信人さんに託されました。

2本足で立つ三角の家


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外観
1. 環八の歩道と路地の角地に建つ。
2. 外壁はコンクリートにモルタル左官仕上げ。
3. コンクリート壁と有孔折板とガラスブロックのシンプルな表情の外観。
4. 路地側から見るとガレージの抜けが分かる。 背後の隣家に接する側は片持ちになっている。


夜でもトラックの行き来が絶えない環八沿い。その一画に明るいグレーの楔型の小さな建物が建っています。ここは田園調布からほど近く目の前に6車線の広い空間が広がる立地です。さらにその先は学校のグランドなので空が広い。「マッシヴな石の塊のイメージ」と森さんが表現したこの家は一見窓が無いように見えますが、壁に取り付けた金属製の折板の奥にガラス窓があり、ここから室内に光を採り込んでいるのです。この丸い穴の空いたフェンスは歩道からの視線を遮りながら住民のプライバシーを守り、直射日光を柔らかく拡散させる役割もあるのです。

◆建築家プロフィールと建築データ


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