建築家・設計事務所/建築家住宅の実例

三角形の狭小地に建つ極限住宅[東玉川の家](5ページ目)

都内でも屈指の交通量の街道沿いに建った、母親と息子の2人が暮らすコンクリートの住宅。変形の狭小地という厳しい条件に負けない、都市に暮らすのための最小単位の砦が完成しました。

執筆者:川畑 博哉

地下の吹抜けのバスルーム

 

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和室
1. ガラスブロックから自然光が入る吹抜け。ポールは物干用。
2. 階段付きで出入りが容易なバスタブ。
3. 広さを倍加させる洗面台の前の大きな鏡。
4. 洗面台の下に洗濯機を設置。
5. ロールカーテンで間仕切った収納。


この家のメインルームは地下にありました。階段を下りて脱衣室を兼ねた洗面所の脇の扉を開けると、そこは3.2畳のバスルームです。床に埋め込まれたバスタブの先を見ると、なんと吹抜けになっていました。高さは2層分の4mほど。上からはガラスブロック越しに自然光が柔らかく降り注いでいます。地下なので外の騒音はほとんど聞こえません。ここはMさん親子が一番くつろげるサンルームなのです。また、外に出すと環八の埃をかぶってしまう洗濯物も、天井に渡したポールを使って乾かすこともできるのです。
「狭小住宅もローコスト住宅もともに常識を覆す発想を迫られます。ここから新しいライフスタイルの提案や面白い空間が生まれます。私にとっては『難解ゆえに刺激的な』無くてはならない仕事です」と語る森さん。Mさん親子の「生活に便利な街中に住み続けたい」という願いを叶えた三角形の砦は、その好例といえるでしょう。

◆建築データと建築家プロフィール


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