ザ・ペニンシュラ香港のスタッフ
外観や内装ももちろん魅力的ですが、リピーターを惹きつけるのはスタッフのおもてなし。プロフェッショナルでありながらも、さりげなくアットホームなので、落ち着ける印象です。2010年に創業82年を記念して出版された「“私達の香港(Our Hong Kong)”」という本の中には、スタッフの目から見た香港が描かれているのですが、みなさんペニンシュラの一員であることに本当に誇りを持っているのだというのを感じました。
たとえば1950年代からの勤務と、スタッフのなかでも最長勤務年数を誇るシニアバーテンダーのジョニー・チョンさん。今でも変わらず、1階のザ・バーで世界中からのゲストのカクテルを作っています。ジョニーさんは以前俳優のクラーク・ゲーブル氏にスクリュードライバーの作り方を教えてもらったこともあるよう。
その他にも、親子代々務めているスタッフがいたりと、ザ・ペニンシュラ香港はゲストだけでなくスタッフにとっても魅力的なよう。約800人のスタッフによるおもてなしサービスが受けられます。
ザ・ペニンシュラ香港の客室
H型をした本館にペニンシュラータワーが加わり、全部で300室を数える、ザ・ペニンシュラ香港。おもてなしの心は客室にもあらわれています。客室の内装はまさに香港を表すような西洋と東洋が混ざった空間。上質のリネンとオリエンタルな調度品の数々。スイートに置いてある望遠鏡はムンバイの職人が1780年代に使われていたものを元に作ったとか。タワーの客室からは香港島もしくは九龍側の景色が全室から楽しめます。香港サイドのヴィクトリア湾の夜景をお部屋から!という場合は、ハーバービューの予約を。
本館は天井が高いので、より一層広く感じます。古き良き時代のイメージがありますが、客室内はいたってハイテク。インターネットはもちろんのこと、ファックスをはじめ、照明やカーテンの操作などはベッドサイドのパネルからワンタッチでできます。アメニティーはアメリカ製のラグジュアリースキンケアブランド、ダヴィーのもの。
すべての客室に、バレットボックスというものが設置されているのですが、これは靴磨きをお願いするときに利用するもの。このボックスは客室と廊下側で繋がっていて、客室側から靴を入れ、ボタンを押すと客室係のスタッフが靴を取りに来てくれます。そのほか新聞デリバリーなどにも利用されます。プライバシーも守られ、ディテールにこだわり、ゲストが何を望んでいるかを心得ているので、家にいる時のようにくつろげる空間がホテルでも体験できるのです。
それからポイントであるのが客室の鍵。最近ではカードキーを導入しているホテルも多いですが、ペニンシュラはスイートでさえも鍵を使用。それは家に帰るという気持ちをお客さんに感じてほしいというこだわりの証。鍵を返したり、受け取ったりすると記にも、人と人が繋がるコミュニケーションがとれるからだとか。