薬局調剤医療費が18年で8.8倍!!
次に国民医療費を診療種類別にわけて、平成20年までの18年分をまとめたものが下記の表3です。入院医療費や薬局調剤医療費等を確認することができます。
平成20年度の国民医療費に対する診療種類ごとの構成割合は、入院医療費が36.8%、入院外医療費が37.7%、歯科診療医療費が7.4%、薬局調剤医療費が15.5%、他に入院時食事・生活医療費が2.3%、訪問看護医療費が0.2%となっています。
特徴的なのは、他の診療種類に比べて薬局調剤医療費の伸びが凄く大きいことです。平成3年には国民医療費全体の2.8%(6104億円)しかなかったのが、平成13年に10%を超え、平成20年には15.5%(5兆3955円)にまで膨らんでいます。この18年間で、国民医療費全体では12兆9824億円(約1.4倍)増えていますが、そのうち薬局調剤医療費だけで4兆7851億円も増えています。平成3年と比べて実に8.8倍に急増しています。医療の現場のことはわかりませんが、薬局調剤費の伸びを抑えない限り、医療財政を健全化させることは難しいのではないでしょうか。
医療費の8割が45歳以上!
国民医療費は増え続けていますが、年齢階級を分けて見てみると、医療費にかなり偏りがあることがわかります。
年齢階級別国民医療費
65歳以上の医療費だけで18兆9999億円と全体の半分を超え、45歳~64歳も含めると約8割にもなります。人口1人当たりの国民医療費でも44歳までは10万円程度に収まっていますが、65歳以上になると平均の倍以上の673.4千円にもなっています。少子高齢化時代、高齢者の医療抑制も大きな課題となっています。
次のページでは国民医療費の現実を踏まえた医療保障の考えについてまとめてみました。