国民医療費は半世紀で145倍!!
国民医療費と人口1人当たりの国民医療費、その間の国民所得、国民医療費の国民所得に対する比率について、表2でまとめてみました。昭和30年(1955年)から10年ごと、平成7年(1995年)以降は毎年の数字となっています。
平成20年(2008年)には34兆8084億円の国民医療費も、昭和30年(1955年)には僅か2388億円でした。この間、約半世紀で実に145倍にも膨れあがったことになります。10年前の平成10年と比べても約1.18倍(5兆2261億円増)、20年前からは2倍近く(16兆530億円増)になっています。国民医療費を総人口(1億2769万人)で割った一人当たりの医療費も約272,600円にまで増え、昭和30年の100倍になっています。
失われた10年とか20年とか言われていますが、経済が停滞していても国民医療費はどんどん増え続けているのです。一方で国民所得は10年前と比べて17兆円も減っています。その結果、所得に対する医療費は9.9%にまで上昇しています。
所得の1割が医療費だけに消えている状況です。国民医療費に含まれていない先進医療や予防接種、分娩、不妊治療なども入れるとさらに比率は高くなります。年金や介護のことも考えると、社会保障制度の将来にどうしても不安を感じてしまいます。
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