ベルギー/ブルージュ

聖母教会/ブルージュ

市民に愛されたブルゴーニュ公女マリーと、父である勇猛王シャルルの霊廟がある聖母教会。ミケランジェロの聖母子像も町のお宝です。

執筆者:林 瑞絵

ブルゴーニュ公女マリーと父シャルルが眠る、聖母教会

市民に愛されたブルゴーニュ公国の公女マリーが父とともに眠る

市民に愛されたブルゴーニュ公国の公女マリーが父とともに眠る

傑作か駄作か?ミケランジェロ作の聖母子像

傑作か駄作か?ミケランジェロ作の聖母子像

高さ122メートル、あらゆる場所からその姿を拝める町一番のノッポの建築物。1220年から着工され、完成までおよそ2世紀の時が費やされた煉瓦の塔です。

町を代表するこの教会の至宝はふたつ。ひとつは巨匠ミケランジェロの手による大理石の「聖母子像」。憂いを含んだ表情を浮かべる母と息子の彫像です。かつてブルージュの商人が教会に寄贈した作品であり、これまで2度も略奪の憂き目に遭いましたが、神のご加護か幸いにもしっかり戻ってきています。

この「聖母子像」の美術的価値に関しては、実は賛否両論があります。多くの旅行ガイドでは「傑作」と太鼓判を押されていますが、美術に一家言持つブルージュ市民と実際に話をしたところ、「バランスが悪くてどうみても失敗作」などと断言する人に何人か会いました。賛否両論を巻き起こす作品というのは、逆に興味をかき立てられませんか。是非あなたの目で、真の傑作か否かを判断してみてくださいね。

夜空に浮かぶ聖母教会

夜空に浮かぶ聖母教会

そしてもうひとつの至宝は、ブルゴーニュ公女マリーと父シャルルの霊廟。並ぶように配置された霊廟の上には、ともに天に向かって手を合わせたふたりの像が横たわっています。「美女中の美女」と讃えられ、市民に愛されたマリーの棺はゴシック様式、「勇猛王」として知られたシャルルの棺はルネサンス様式となっています。

さらに見逃せないのは、この霊廟近くの壁の上方からのぞく豪勢な茶色の窓。こちらは隣接するグルートフーズ博物館のものですが、もともと大富豪のグルートフーズ家が、外出しなくても家の中から聖母教会の祭壇を直接拝むことができるように作ったという、世にも珍しい個人礼拝堂の窓なのです。信神深い人々にとって、これ以上の贅沢があるでしょうか。

<DATA>
Onze-Lieve-Vrouwekerk(聖母教会)
住所:Mariastraat
開館時間:月~金9:30~12:30/13:30~17:00
土9:00~12:30/13:30~16:00、日14:00~17:00
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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