世界最古の産業印刷工房、印刷博物館

ネット時代に印刷から教わることも多い

ネット時代に印刷から教わることも多い

往時の印刷場の様子

往時の印刷場の様子

本を愛するすべての人に訪れてほしいのが、世界で初めて産業印刷が行われた工房を母体とする印刷博物館。古文書や印刷機が所狭しと並び、書籍の製作行程も手に取るようにわかります。

書物類約3万冊、木版画約1万5千冊を所蔵。グーテンベルグの36行の聖書といった貴重な資料も多数展示。2001年には記録文書と最古の印刷機が世界の記録遺産、2005年には工房や活版印刷の道具が歴史遺産に認定へ。近年、再評価の気運がますます高まっています。

 

17世紀の図書館も

17世紀の図書館も

印刷術は1440年頃にグーテンベルグによって発明され、アントワープには40年後に伝来。その後1550年頃に、先見の明に長けたフランス人製本職人クリストフ・プランタン氏が活版印刷業を開始しました。

当時アントワープは国際貿易により未曾有の繁栄の渦中に。世界の最先端を行く国際都市に、印刷産業はまさにうってつけでした。プランタン氏自らも「私が営みたい職業(=印刷業)に相応しい町は世界の他にない」と、グレゴリウス13世への手紙の中でしたためているほど。彼の思惑通りに、印刷産業は知を伝播する新しいメディアとして順調に発展を遂げます。プランタン印刷所は単なる印刷所を越え、出版社も兼ね備える欧州きっての文化サロンとなりました。当代一流の芸術家や政治家などが集い、印刷の可能性について討論の花を咲かせたといいます。

 

大印刷業者の邸宅も公開

大印刷業者の邸宅も公開

本印刷所が隆盛を極めた時代、巨匠ルーベンスやブリューゲルらもまた工房の当主らと親交を温めます。特にルーベンスは印刷所の公式下絵画家も務めるほどに密接な関係を築きました。現在も博物館内の大客間には、ルーベンスによる油絵の数々が往時を偲ぶように展示されています。

<DATA>
Plantin-Moretus Museum
住所:Vrijdagmarkt 22-23
TEL:+32 (0)3 221 14 50
開館時間:火~日曜10:00~17:00
入館料:6ユーロ、26歳以下は1ユーロ
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