グルメの国の玄関口ブリュッセル


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ブリュッセル・グルメの極めつけはこれ!


グルメ・ライターとして有名なスティーブ・ブロトニッキ氏が主催する「トップ100欧州レストラン」。2014年ナンバーワンの栄冠に輝いたのは、ベルギーのイン・デ・ウォルフ(In de Wulf)でした。このレストランは、フランス国境境の片田舎にありますが、トップ100には在ブリュッセルのレストランとして、ミシュラン・ガイドでも常連のコム・シェソワ(Comme chez Soi)、シーグリル(Sea Grill)、ラ・ペ(La Paix)が含まれており、グルメの町ブリュッセルの実力を感じさせます。

ベルギーでは、こうした超高級レストランですら、高ぶらず、一見の旅行客でも、空きがあれば迎え入れてくれますが、予約は必須。京都か赤阪の老舗料亭に行くくらいのマナーや立ち居振る舞いの基本は備えていくべし。ナイフ・フォークの持ち替えや、お皿を回しあっての味見がご法度なのはもちろんですが、床の間に飾ったかけ軸や生け花を愛でることできる作法が一夜漬けでは身につかないのと同じで、ワインや料理についてそこそこの素養のある人と一緒に行った方が落ち着いて食べることができるでしょう。

夜はお値段も張るので、ランチがお手ごろ。1ヶ月位前からランチ予約もいっぱいな時期もあるので要注意。高級レストランは、あくまで地元のグルメ向けなので、夏の時期には長い休暇を取るところもあります。

そんな中で、観光客にとてもうれしいのが、トラムの中で、世界的著名シェフが共演する美食を楽しみながらの遊覧観光。こんな楽しみはブリュッセルならではでしょう。(最後にご紹介しています!)


高級レストランの味を少し気楽に食べたいなら

超有名高級レストランは気後れするけれど、その味に興味深々という方にうってつけなのが、有名シェフが指揮するブラッスリータイプの店。ランチタイムならより気軽に入れ、グラスワインを傾けながら、地元民に交じって充分に楽しむことができるでしょう。

ボザール・ブラッスリー(BOZAR BRASSERIE)は、ラ・ペ(La Paix)のダビッド・マルタン氏によるカジュアル店。国立芸術堂ボザールの中にあります。フランス語では本来ボザールとはBeaux Artsと書いて「芸術」のこと。でも、蘭語と仏語が併用されなければならないブリュッセルの特殊事情を鑑みて、近年、固有名詞化してBOZARと書かれるようになったので、フランス語のわかる人にはちょっとぎょっとするスペリングなのです。

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BOZAR BRASSERIE (ボザール・ブラッスリ)
外からはちょっとわかりにくい

国立芸術堂の1階にある

住所:Palais des Beaux-Arts, Rue Baron Hortastraat 3, Bruxelles 1000 Brussel
TEL:+32(0)2 503 0000
定休:日曜・祝日
営業時間:12:00-15:00, 18:30-22:30
一品料理の目安:30EUR

さて、ベルギーでミシュラン星付きの大御所といえば、ベルギー王室も常連といわれるコムシェソワ(Comme chez Soi)。お料理はもちろんですが、コムシェソワのもうひとつの魅力は、ベルギーを代表するアールヌーボ様式の美しい内装。でも、コムシェソワはちょっと敷居が高いという方におすすめなのが、レ・ブリジティンヌ(Les Brigittines)です。お料理の選択枝はやや少なめに感じるかもしれませんが、ほれぼれするような内装と同時に、ブリュッセル名物グーズビールの老舗カンティヨンを使ったオリジナルな料理も楽しめます。旧市街から少し離れたシャペル教会の目の前にあるので、土地感がない場合は、タクシーがお奨めです。

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チャペル教会を目指して行こう

アールヌーボの内装が美しい

Les Brigittines(レ・ブリジティンヌ)
住所:Place de la Chappelle 5 Kapelplein, Bruxelles 1000 Brussel
TEL:+32(0)2 512 0891
定休:土曜の昼、日曜および祭日
営業時間:12:00-14:30, 19:00-22:00
一品料理の目安:30EUR


旧市街の中心部にいながら、広々とした空間でゆったりと静かなランチタイムを楽しみたい方には、ドミニカンホテルのレストランがおすすめ。ここはかつて、修道院だったもので、その後、ベルギー人の著名な画家ジャック=ルイ・ダビッドのアトリエでもあったところ。近年商業施設の建築デザインをリードする事務所レン・アスによってあまりにもエレガントに改装されてデザイン・ホテルとして再登場。都会のオアシスのようなダイニングスペースは、大人の絶好の隠れ家です。

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モネ劇場の裏側にある

外は目立たないので見つけにくい

The Dominican-Grand Lounge(ザ・ドミニカン-グランラウンジ) 
住所:Rue Léopold 9 Leopoldstraat, Bruxelles 1000 Brussel
TEL:+32(0) 203 08 08
定休:ホテル内なので年中無休
営業時間:朝食時間より夜22:30まで
一品料理の目安:25EUR


もっと地元っぽくカジュアルに食べたいなら

ベルギー料理の定番と言えば、深鍋で蒸したムール貝とフリッツ(ポテトフライ)。これを発案したのが、Mr Léon Vanlancker氏で、その名もシェ・レオン(Chez Léon、つまり「レオンさんのお宅」)。ブリュッセルの一号店は、「聖なる島」「ブリュッセルの胃袋」と異名をとるレストラン街のど真ん中にあります。このあたりは、19世紀中盤まで、下町らしい生鮮食料品や簡易レストランがひしめき合っていた地域で、今でも、道の名前は「肉屋横丁」「ハーブ通り」「胡椒通り」という具合。

シェ・レオンは今でも一族が経営、どんなガイドブックにも登場するムール貝とフリッツの代名詞のような店です。フランスにも多数のフランチャイズ店が出ていますが、本家本元はここ。小さな家を次々とつなげて作った店には全部で1000席以上。毎日1トンというムール貝をさばいています。ムール貝が出荷されなくなる4月中旬~7月中旬の間も絶え間なく食べられるのはここぐらいなもの。この期間に旅行する人には頼りのムール貝レストランです。

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ムール貝とフリッツの本家本元

聖なる島のど真ん中にある

Chez Léon(シェ・レオン)
住所:Rue des Bouchers 18 Beenhouwersstraat, Bruxelles 1000 Brussel
TEL:+32(0)2 511 1415
定休:年中無休
営業時間:11:30-23:00、金・土は23:30まで
一品料理の目安:20~30EUR

次ぎに、地元民がイチオシのムール貝および魚介類の庶民派レストランをご紹介しましょう。中世以来ブリュッセルにあった内陸港跡/聖カトリーヌ広場周辺には今も魚介類のレストランがたくさんあり、夏にはそれぞれの店が大きくテラス席を出し、冬にはクリスマス市や観覧車で大いに賑わいを見せます。ラ・マリ=ジョゼフ(La Marie-Joseph)、フランソワ(François)などの有名店に隠れて、より庶民的なのが、ジャック(Jacques)やベイ・デン・ブール(Bij Den Boer)でしょう。店内はいつも常連客で賑わっていますが、ムール貝は4月半ばから7月半ばには出されず、魚介類は時価が多いのでご注意。

ピンクの壁が目印

旧魚市場の一角にある老舗

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Jacques(ジャック)
住所:Quai aux Briques 42-44 Baksteenkaai, Bruxelles 1000 Brussel
TEL:+32(0)2 513 2762
定休:日・月、祭日
営業時間:12:00-14:30, 18:00-22:30
一品料理の目安:20~30EUR



青い店構えが目印

地元の人気店

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Bij Den Boer(ベイ・デン・ブール)
住所:Quai aux Briques 60 Baksteenkaai, Bruxelles 1000 Brussel
TEL:+32(0)2 512 6122
定休:日曜
営業:12:00-14:30, 18:00-22:30
一品料理の目安:20~30EUR


ムール貝や伝統のベルギー料理にはちょっと飽きたので、気軽に新感覚で美味しいものが食べたいという方には、ジョルジェットがお奨め。いわゆるレストランがひしめき合う「聖なる島」の端っこに比較的新しく登場した店です。店名ジョルジェットは、ジョージの女性系。ベルギーを代表するシュール・リアリズムの画家マグリットの奥様の名前とすぐわかる人はかなりのベルギー通・アート通です。レストランの隣には持ち帰り用フリッツ屋さんが併設されており、夕方からはかなりの列になる名店のひとつです。フリッツだけでもぜひお試しを。

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安くて美味しいと大評判

左がレストラン、右はフリッツ店だ

Georgette Café(ジョルジェット カフェ)
住所:Rue de la Fourche 37/39 Greepstraat, Bruxelles 1000 Brussel
TEL:+32(0)2 512 1812
定休:年中無休
営業時間:12:00-15:00, 18:00-22:30
一品料理の目安:20EUR


ベルギーらしい伝統のビアカフェも

ベルギー人は、食前や食後に、ゆっくりとビールを傾けながら談笑するもの。昔ながらの伝統的なビアカフェ(仏語ではエスタミネ、蘭語ではブラウンカフェなどと呼びますが)は、狭い路地の奥深くに潜んでいます。食べ物は薄切りパンにチーズやサラミ程度のつまみしかないので要注意。ブリュッセルのそんなビアカフェは、最近ではガイドブックにもたくさん乗っているので、お気に入りを見つけると楽しめるでしょう。ア・ラ・ベッカスでは、16世紀の画家ブリューゲルの頃からの陶器のピッチャーでブリュッセル名物のグーズが飲めます。また、「聖なる島」の中央あたりにある、古典人形劇場トーヌに併設されたカフェもおすすめ。トーヌに入る路地は見過ごしやすいので、上を向いてトーヌの横断幕を目印に。

ピンクのネオンサインで見つけよう

ベッカスとはシギのこと

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A la Becasse(ア・ラ・ベッカス)
住所:Rue de Tabora 11 Taborastraat, Bruxelles 1000 Brussel
TEL:+32(0)2 511 0006
定休:年中無休
営業時間:11:00-24:00, 金・土は01:00まで




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横断幕が狭い入り口の目印

「聖なる島」の中にあるトーヌ

Toone(トーヌ)
住所:入り口は2方向からあります。Petite Rue des Bouchers 21 KortebeenhouwersstraatまたはImpasse Schuddeveld-gang 6, Bruxelles 1000 Brussel
TEL:+32(0)2 511 7137
定休:月曜
営業時間:12:00-24:00


ベルギー料理に飽きてしまったら

ブリュッセルには、いわゆる中華街は形成されていませんが、証券取引所を背に、ダンサール通り、サン・ジェリー広場、サン・カトリーヌ広場の方向には、多くのアジア系レストランとアジア系のスーパーマーケットがあります。日本で食べる中華料理を期待して入ると、ナイフ・フォークやワイングラスが並んでいてびっくりしてしまうかもしれませんが、その中でも数軒は、日本人好みの麺類や炒飯なども出してくれます。ガイドのおすすめは「唐人街」(アルファベット名は、Hong Kong Delightです。

町の中華そば屋のイメージ

漢字名とアルファベット名が全然違うので注意

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■ Hong Kong Delight(唐人街)
住所:Rue St Catherine 35 Sint-Katelijnstraat, Bruxelles 1000 Brussel
TEL:+32(0)2 502 2780
定休:火曜
営業時間:12:00-23:00
一品料理の目安:10-15EUR



最近は「なんちゃって和食」が急増したベルギーですが、本格的なラーメン屋さんも増えてきました。「侍」(Samourai)は老舗高級和食レストランですが、そのすぐ横にラーメン店をオープン。醤油、味噌、とんこつスープのラーメンに、好みのトッピングを選ぶ形式。経営者もシェフも客層も日本人ではないけれど、満足度100%です。

味は本格派で美味しい!

モネ劇場の横、小さなギャラリーの中にある

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Samourai Ramen(侍 ラーメン)
住所:Rue du Fossé aux Loups 28 Wolvengracht, Bruxelles 1000 Brussel
TEL:+32(0)2 217 5639
定休:土曜夜・日曜
営業時間:12:00-15:00, 18:30-21:30
ラーメンの目安:15EUR

美味しいパスタやピザの少なかったブリュッセルですが、最近では少しずつ改善され、オリーブオイルの利いた食感の良いパスタや温野菜豊富なアンチパストも楽しめるようになってきました。リコッタ&パルメザン(Ricotta & Parmesan)は、お好みのパスタとソースを組み合わせられる嬉しいお店。近くにもちょっと気の効いた店がいくつかあります。

明るい店内で気持ちがいい

大ガラスで中がよく見える

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Ricotta et Parmesan(リコッタ&パルメザン)
住所:Rue de l’écuyer 31 Schildknaapstraat, Bruxelles 1000 Brussel
TEL:+32(0)2 502 8082
定休:年中無休
営業時間:12:00-14:30, 18:30-23:00、木~土は23:30まで
一品料理の目安:15-20EUR


最後にブリュッセル堪能の極めつけは

数年前からブリュッセル市観光局の企画で始まった遊覧トラム・レストラン。ディナー・クルーズのできるような河川がないブリュッセル市ですが、今でも路面電車「トラム」が市民の足として活躍し、その線路が市内に張り巡らされています。そこで、観光局が考えたのが、トラムを快走して高級レストランに見立て、ゆっくり遊覧しながら、とびきりの美食を堪能してもらうという企画。平日は夜一便、週末は午後と夜に2便。ブリュッセル市内の景色の美しいルートをゆっくり巡りながら、なかなか予約の取りにくいミシュラン星付きの超有名シェフが腕によりをかけた極上のコース料理が賞味できるので観光客には一石二鳥です。

シェフとコース料理の内容は数週間ごとに代わり、毎年テーマも変わります。昨年は「世界のグルメ」で、在ブリュッセルのミシュラン★付き和食レストラン「KAMO」も参画。今年のテーマは、「美食の世界都市」で、リヨン、ボルドー、ヘルシンキ、ゴーテンブルグ、バルセロナ、モントリオール、シカゴ…そして大阪からもミシュラン・シェフを迎えて、トラム・エクスペリエンスが走ります。ハイシーズンはすぐに売切れてしまうので、ご予約は充分お早めに。

(c)visitbrussels-E.Danhier

腕自慢の有名シェフがブリュッセルを回る

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Tram Experience(トラム・エクスペリエンス)
全席予約制、ご予約はホームページから
発着場所:発車場所はトラム博物館または裁判所前広場
スケジュール:月~木は20:00発、金・土は18:30発と21:30発の2便、日曜日は12:00発と19:00発の2便
セット料金:89EUR(飲み物代込み)



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ブリュッセルを巡りながらの極上グルメ!

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※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。