年金

会社員の年金と老後資金準備

「自営業者の年金と老後資金準備」に続けて、「会社員の年金と老後資金準備」をご案内します。会社員にとって、退職後公的年金とともに支給されることの多い企業年金ですが、最近10年で企業年金制度は大きく変化しています。最近の企業年金の内容を検証していきます。

原 佳奈子

執筆者:原 佳奈子

年金入門ガイド

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自営業者に引き続き、会社員の年金と老後資金準備のご案内です


自営業者の年金と老後資金の準備」に引き続き、今回は「会社員の年金と老後資金準備」についてご案内します。会社員の年金にはどのような特徴があるのか、また自分で老後資金を準備する場合はどんな方法がよいのか解説していきます。

<INDEX>
会社員の老齢年金
企業年金のしくみ
企業年金の掛金と年金
 

会社員の老齢年金

会社員が加入する年金制度は厚生年金ですが、厚生年金の被保険者は国民年金の第2号被保険者でもあります。したがって、会社員だった人が受給できる老齢年金は国民年金から支給される老齢基礎年金と厚生年金から支給される老齢厚生年金の2階建てになります。さらに、その上乗せ年金として勤務先が企業年金を導入していると、老齢年金は以下のような3階建ての年金になります。
会社員の老齢年金

 

また、厚生年金に原則20年以上加入し、一定の要件を満たす配偶者がいると、厚生年金から加給年金が支給され、加給年金は配偶者が65歳になって老齢基礎年金を受給するようになると振替加算として配偶者の老齢基礎年金に上乗せされます。
会社員夫婦の老齢年金

 

【配偶者の加給年金のおもな支給要件】
  • 原則20年以上厚生年金に加入していること
  • 特別支給の老齢厚生年金を受給している期間は定額部分が支給されていること
  • 配偶者の年収が850万円未満(所得ベースでは655.5万円未満)で、かつ65歳未満あること
国民年金のみに加入する自営業者やフリーランスに比べると、厚生年金に加入する会社員の老齢年金は給付内容が充実しています。なお、公的年金から支給される1階部分と2階部分の老齢年金は厚生年金の加入者に共通する制度なので、同じ条件で支給額や支給開始年齢が決定しますが、3階部分にあたる企業年金は勤務する企業が導入している制度や規約によってその給付内容が異なります。ただし、企業年金制度にも制度ごと必ず決めておかなければならない規約の内容や一定の支給基準が法律で定められています。代表的な企業年金制度の法的なルールをみていきましょう。
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