後席中央部にはスキーハッチも!
かつてのサーブといえば、航空機のコクピットのように計器類がズラリと並び、マニア心をくすぐったものだが、サーブ9-3Xは、良くも悪くも普通だ。エンジンキーがセンターコンソールにあり、ドアミラーの調整ボタンがAピラーの根本にあるくらいで、とくに操作に慣れを要することもなく、輸入車に乗ったことのある人ならすぐに使いこなせるだろう。シートサイズは前後ともにたっぷりしていて、大人4人がくつろげる広さを確保している。後席のフットスペースがやや狭く感じるが、ロングクルージングも十分にこなせるキャビンといえる。ラゲッジはエステートがベースなだけあってもちろん広い。4人乗車で1、2泊旅行というシーンでも、夫婦2人で荷物を満載し、趣味を楽しむというシーンでもスペースに不足はない。6:4分割可倒式の後席背もたれを倒せば容易に拡大できる。さらに、助手席を倒せば2.5mまでの長尺物も積めるし、後席中央にあるスキーハッチを使えば後席に座ったままスキー板なども積める。
ライバルは少ない? 貴重な個性派SUV
エステートがベースなだけあって、荷室は奥行き、幅ともに十分な広さを確保する。4人家族でも多彩な趣味をもつカップルにも十分対応できる荷室容量を備えている。それでいてボディサイズも大きすぎないから扱いやすい
最近はSUVラッシュといえる状況だが、現在ワゴン派生型のSUVはレガシィ・アウトバック以外にライバルはない。全長4690×全幅1800×全高1570mmのボディサイズも大きすぎず、日本でもちょうどいい。人とは少し違ったワゴン、SUVを探しているなら選択肢に入れたい存在だ。ただし、ESPやコーナリングブレーキコントロール、各種エアバッグなど安全装備の充実ぶりはプラスに考えられても、520万円という少々割高感のある価格設定なのがやや残念ではあるが。