輸入車/注目の輸入車試乗レポート

SUVの9-3Xでサーブが復活!(2ページ目)

親会社GMの苦境で、一時はブランドの消滅さえ危惧されたサーブだが、親会社が変わり日本でも復活を果たした。ニューモデルとして投入されたのはワゴン派生型のSUV、9-3Xだ。どんなモデルなのか早速お届けしよう。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

懐かしき「緩い」テイスト

インパネ

大径のステアリングにはオーディオスイッチのほかに、ステアリングシフトも備わる。HDDナビは標準で、エアコンはデュアルゾーンのフルオート。トランスミッションは6速ATだが、最新のデュアルクラッチなどと比べると変速レスポンスは俊敏とはいえない。ハンドリングも含めてどちらかというと、ゆったりした気分でロングクルージングを楽しむキャラクターだ

久しぶりにサーブのステアリングを握ったが、同じスカンジナビアン出身のボルボと比べると趣はずいぶん異なる。ボルボはいまやドイツ車顔負けの高剛性ボディを手に入れ、デザインや安全思想にこそ独創性は色濃く残るが、例えば新しいS60の走りには微塵も「緩さ」を感じさせず、ミシリともいわない鋼のようなボディに包まれている感覚がある。一方のサーブ9-3Xは、基本設計の古さとボディの「緩さ」を良くも悪くも感じてしまう。アイドリングからして最新モデルとしては音も振動も盛大だし、凹凸を乗り越えるたびにボディの緩さが伝わってくる。現在ではかなり大径で直立気味のステアリングもあって、俊敏なフットワークというよりも、ゆったりと走らせるのが、9-3Xに向いたキャラだと思わされる。

素直でクセがない

リヤシート

バックレスト、クッションともに大きなサイズのシート。前席は大柄な人でも身体を包み込む。後席は膝前のスペースが少し狭く感じるものの、乗車定員は5名だが、後席は実質大人2人掛けと考えれば十分なスペースといえる。足元が若干狭い分、広大なラゲッジスペースを用意する

メーターパネル内にターボのブースト計が備わるから、アクセルを踏み込むたびにターボ車だと分かるものの、体感的には決して分かりやすいワケではない。過給が始まる領域が分かりにくいのと、踏み込んでもパワー的な盛り上がりは今ひとつなのだ。逆にいえばNAエンジンのような素直な特性だから、クセがないしハンドリングとパワーの整合性がよく取れている。それでも走行シーンを問わず、パワー不足を感じることはなかった。その気になれば、高速道路で流れをリードすることも可能だ。

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