神戸グルメ/神戸・兵庫のフレンチ

エル デ アンジュ芦屋(4ページ目)

今、兵庫でもっとも注目したいフレンチ「エル・デ・アンジュ芦屋」。若き次世代シェフが作り出す、創意工夫溢れる料理の数々は美味しい驚きの連続です。

執筆者:麻生 玲央

☆デザート
フランス産オリーブオイルのムースとスパークリング苺のアトリウム、トンカ豆の香り

フランス産オリーブオイルのムースとスパークリング苺のアトリウム、トンカ豆の香り

庭園(アトリウム)をイメージして作られたというデザートは、筒状のグラスにカカオを土と見立てて、そこにミントを植えつけた、何とも可愛いルックスの一皿です。

ショコラの下にあるフランス産のオリーブオイルを使用した雲のような食感のムース部分を、炭酸ガスを注入した苺と共に口に入れると、ムース部分が苺を包み込むかのように融合し、咀嚼するたびにムースがショコラ香と共に儚く溶けていき、その後に苺の酸味と炭酸のスパークが弾け、喉の奥のほうでさっぱりとしたテイストに変化するのです。端麗というか、喉ごしがとても心地良いですね。


☆ミニャルディーズ
ミニャルディーズ

ミニャルディーズ

最後は食後ティと6種類の豪華ミニャルディーズ! 内容は「紫大根のグラニテ ホオズキのエスプーマ」、「牛蒡とバニラのマカロン」、「ジャスミンのクリームブリュレ」、「フィナンシェ」、「一口ガトーショコラ」、「黒ゴマのチュイール」と、野菜を使ったヘルシー菓子がラインナップされています。やはり、コースの最後は重たい焼き菓子盛り合わせよりも、こういった野菜を使った軽やかもののほうが日本人向き。どんなに美味しいミニャルディーズも高カロリーで重かったら完食できませんからね。

そういう意味でもシェフの野菜を使ったアイデアはナイス。特に「紫大根のグラニテ」と「牛蒡とバニラのマカロン」は新境地だと思いますし、これは女性には喜ばれるでしょう。個人的には生キャラメルとガトーショコラの間のような食感の一口ガトーショコラがお気に入り。他にも唯一の焼き菓子(伝統菓子)であるフィナンシェもとても軽やかな仕上がりで、これにも驚きました。


次世代のフランス料理

美しいウェイティング・プレート

美しいウェイティング・プレート

一番吸収力の大きい年代の時に、自己の目標とするシェフ達の元で多くを吸収された江見シェフ。今後の料理世界について話を伺ったところ、「仕込みや調理過程、組み合わせは複雑ですが、お皿の上では出来るだけシンプルかつ遊び心や挑戦心を込め、過去の伝統的な料理を現在の食材と技術で新たな形に表現していきたいです」とのこと。

伸びしろ大きい若きシェフの夢と努力が込められた繊細で多彩な料理の数々を、芦屋の邸宅で楽しめることを発見できたことは幸運なヒットでした。今年で30代になられて、これからどんな次世代のフランス料理を作り出されていくのかが楽しみですね。

注) 料理長だった江見常幸さんは2012年10月に退職されました。当記事は2011年の過去記事となります。

<DATA>
・店名: エル デ アンジュ芦屋
・所在地: 兵庫県芦屋市大原町4-10
・アクセス:JR「芦屋駅」徒歩約5分
・地図:Yahoo!地図情報
・TEL:0797-25-1357

・営業時間:11:30~14:00(LO)、17:30~20:00(LO)
・定休日:火曜
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※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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