様々な種類がある社会保険

給付内容が充実している社会保険の概要を押さえましょう

給付内容が充実している労働保険の概要を押さえましょう

毎月の給与明細書を見てみると、実に様々なものが天引きされています。所得税や住民税などの税金の他に、各種社会保険料が控除されていますね。手取り額を確認するだけで、後は特にチェックをしない方も多いことでしょう。社会保険は、実際に事故が起きなければお世話になることが少ないので、そうした感覚になるのだと思います。

今回は各種の社会保険の概要を見ていくことにします。内容を知ると、皆さんが日常感覚で思っている保険内容以外に、利用できるものが本当に多くあることがよく分かります。

企業が加入する社会保険は、次の2つに区分されます。
  • 労働保険(労災保険、雇用保険)
  • 社会保険(健康保険、介護保険、厚生年金)
それでは、最初の労働保険の概要から見ていきましょう。

労災保険とは

労災保険(正式名称:労働者災害補償保険法)は、国が運営する制度です。従業員が業務災害・通勤災害にあったときに補償がなされます。業務災害は、労働基準法によって会社側に補償の責任があります。

でも実際に事故が起こった場合、被災従業員側から見ると法令で定まっているから安心というわけには必ずしもいきません。会社側で補償するだけの資力がなければ、従業員は補償を受けられなくなってしまう恐れがあるからです。そこで労災保険の出番です。被災した従業員が労災保険で補償を受けた場合は、会社は労働基準法の補償責任が免除されることになるのです。

労災保険の各種給付内容

業務災害と通勤災害時に給付されます。両者とも給付内容は同様です。通勤災害の給付名は、括弧内の名称になります。

■療養補償給付(療養給付)
労災病院などで、治るまで無料で診療がうけられます。近くに労災病院等がない場合などは取りあえず治療費を立て替えますが、後日その費用が支給されます。

■休業補償給付(休業給付)
療養のため休業して給料を受けられない場合、休業4日目から所定の算定方式による一定割合の額が支給されます。会社を休んだ場合の収入補償です。

■傷病補償年金(傷病年金)
療養開始後1年6ヶ月を過ぎても治らず重症の場合には、年金として支給されます。重症の場合は、上記の休業補償給付から傷病補償年金に切り替わります。これも収入補償です。

■障害補償給付(障害給付)
傷病は治っても障害が残ったとき、障害の程度により年金または一時金が支給されます。収入補償です。

■介護補償給付(介護給付)
障害の程度が常時、随時介護を必要としたとき、その月に介護費用の額が支給されます。

■遺族補償給付(遺族給付)
死亡した被災従業員の遺族に支給されます。年金または一時金。

■葬祭料(葬祭給付)
死亡した従業員の葬祭を行った人に所定額を支給。

■二次健康診断等給付
これは業務災害・通勤災害の給付ではありません。会社の定期健康診断(一次健康診断)で血圧検査、血液検査等で異常と診断されたときの医師による二次健康診断(精密検査)。

<関連資料>
労災保険の各種給付内容

中小企業経営者などに対する労災保険特別加入制度

労災保険は従業員に適用される制度。でも、実務上は経営者など役員も従業員同様に仕事をする場合も多いですね。そうした場合、経営者等にも労災保険を適用できる特別の制度があることをご存知でしょうか。労働保険事務組合(保険事務の処理を受託する団体)に事務処理を委託することが条件になります。

経営者自身の災害補償もさることながら、保険料の額に関わらず分納ができる、事務処理を委託することで効率化・簡素化が図れるなど、メリットが非常にあります。

<関連資料>
労災保険特別加入制度