妊娠の基礎知識/妊娠中の不安・疑問

妊娠中の体の疑問・悩み(6ページ目)

妊娠・出産で、大きく変化する女性の体。体毛が濃くなる、肌荒れがひどくなる、足がつる、便秘、頻尿、貧血、肌のかゆみなど、出産に向けて女性に起こる体の変化について、読者の皆さんから寄せられた疑問にわかりやすくお答えします。

竹内 正人

執筆者:竹内 正人

妊娠・出産ガイド

動悸

妊婦さん

ドキドキして落ち着かない……。どうしたらいい?

Q:
・ドキドキするのですが、これも妊婦特有の症状でしょうか?

A:
ドキドキは、妊婦特有の現象ではありませんが、妊婦は動悸を感じやすくなります。ママが何もしなくても、赤ちゃんへエネルギーを供給しなくてはならないこと、大きくなった子宮が血管を圧迫して、体勢によってはママの心臓へ血液が戻って来にくくなること、自律神経症状が出やすいことなどが関係しています。急に動悸がした場合、できるだけ楽な姿勢をとってゆっくりと呼吸をしてください。赤ちゃんには影響はありません。
 

冷え

Q:
・妊婦は冷やしてはいけないというけれど、具体的にはどうやって温めればいいのでしょうか。夏でも温めるほうがいいのですか?

A:
妊娠に冷えは禁物! まずはあまり肌を露出しないようにしましょう。お腹が冷えないことが一番なので、少し大きめの下着や、重ね着、腹帯などで調節してください。妊婦は手足が冷たくなりやすいので、気候によっては厚手の靴下や指先が開いた手袋などで冷やさない。どれも、特別なことではありません。手足がかじかんでしまう時は、ゆたんぽ、使い捨てカイロを使っても結構です。一方、夏で心配なのは、クーラーです。仕事場が冷えている場合は、上司に相談するか、ひざ掛けやショールで対応しましょう。
 

腰痛

Q:
・腰痛がひどくて悩んでいます。何か対策はありますか?

A:
妊婦さんの7割は腰痛を経験します。お腹が出てくることで、そりの姿勢になり腰部に負担がかかること、ホルモンの影響で、背骨や骨盤の人体がゆるむことなどが原因です。いずれも生理的なもので、産後にはおさまってきますし、腰痛がひどくてもお産には影響はありません。

対策としては、長い時間立っていないようにする。腰痛を感じたら無理せず横向きや、足元に大きめの箱のようなものを置き、股関節を膝を90度曲げた仰向けになるなど、そりを減じる姿勢で休むようにしてください。体操、骨盤ベルト、保温、あまり体重を増やさないなどの対策も有効です。なお湿布を使用したい場合、鎮痛作用のある成分が赤ちゃんに影響することがあるので、医師に相談して妊娠中でも安全に使える湿布を処方してもらうようにしてください。
 

恥骨痛

Q:
・足の付け根が痛いのですが、出産まで我慢するしかないのでしょうか。

A:
子宮が大きくなってくる妊娠後期は、足のつけねが圧迫されてきます。また、出産にむけ、骨盤が赤ちゃん(児頭)にあわせて広がってくるので、骨盤痛がでてくる場合があります。骨盤正中にある骨盤の一部である恥骨は、軟骨と靭帯で両側がつぎ合わされていますが、ホルモンの影響でこの部位も弛むので、恥骨痛がおこってきます。子宮の圧迫がかからない姿勢をとるようにする、急に動かないようにするなどの工夫をしてみてください。骨盤ベルトが有効な場合もあります。


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