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共働き・共家事で行こう!~ライフステージに見る家計(2ページ目)

なかなか他人には聞けないお金の話だけあって、他人のお財布事情は気になります。「ウチの家計って世間と比べてどうなの?」そんな疑問にお答えします! そして、これからの家計をどのように設計するべきか、考えてみます。

平野 泰嗣

執筆者:平野 泰嗣

ふたりで学ぶマネー術ガイド

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ライフシテージごとの家計の収支

第4ステージ(夫婦と長子が大学生の世帯)が最も家計が厳しくなる!

第4ステージ(夫婦と長子が大学生の世帯)が最も家計が厳しくなる!

前のページでは、ライフステージごとの毎月の消費支出を見てきましたが、ここでは、世帯の収入状況を見ていきましょう。

下のグラフは、ライフステージ別の月平均の収入と支出を表したものです。棒グラフは収入の内訳で、世帯主収入(青色)、配偶者の収入(赤色)、その他の収入(黄色)で表しています。世帯主が妻の場合もあるので、世帯主=夫、配偶者=妻とは限りませんので、注意してください。その他収入には社会保障給付などが含まれます。

折れ線グラフは、可処分所得(緑色)、消費支出(赤色)で表しています。家計の支出の中には、借入金の返済などのように非消費支出が含まれるので、可処分所得と消費支出の差が貯蓄という訳ではないのですが、家計の収支のイメージがつきやすいようにグラフに載せました。

※平成21年全国消費実態調査「二人以上の世帯の家計収支及び貯蓄・負債に関する結果の要約」のデータを元にガイド平野泰嗣がグラフ作成(※クリックすると拡大)

※平成21年全国消費実態調査「二人以上の世帯の家計収支及び貯蓄・負債に関する結果の要約」のデータを元にガイド平野泰嗣がグラフ作成(※クリックすると拡大)

■第1ステージ
第1ステージは、夫婦のみの世帯で、共働き率も高いです(有業人員は1.72人)。可処分所得と消費支出の差も大きく、まさに貯蓄ができる期間です。この時期にいかに貯蓄をできるかが将来の人生設計に大きな差が出ます。特に消費体質の家計から倹約体質の家計に急に変えることは難しく、将来に渡って支出が大きい家計になってしまうからです。

■第2ステージ
第2ステージは、子供が生まれ、妻が仕事を辞めることが多く(有業人員は1.29人)、配偶者の収入は大きく下がります。世帯主の収入は伸びても、世帯全体としての収入はあまり伸びないと言えます。グラフ上は、可処分所得と消費支出の差がプラスなので十分な貯蓄ができているように見えますが、持ち家率が54..3%になり、住宅ローンの返済も始まるので、あまり貯蓄ができないかもしれません。けれども、食費やその他の生活費、教育費の負担が少ないこの時期にも、貯蓄をしっかりしていくことが大切です。最近は、育児休暇制度や育児短時間制度などを導入し、子育て環境も整いつつあります。これらの制度を活用して収入を維持向上することも将来の家計を見据えた選択と言えるでしょう。

■第3ステージ
第3ステージは、小学校や中学校に入学する頃になって、子供の手がかからなくなり、妻が働きに出る割合も増えます(有業人員は1.60人)。その分可処分所得も増え、第2ステージよりは貯蓄ができる状況と言えるでしょう。

■第4ステージ
子供の教育費負担が最も重くなる時期で、妻が働きに出る割合も増えます(有業人員は1.77人)。第1ステージの子供がいない夫婦2人のみの世帯よりも、共働き率が高いと言えます。けれども収入の方を見ると、第1ステージの配偶者収入よりも3割以上も少なくなっています。世帯主の給料の上昇と配偶者が働きに出ることによって、世帯の収入は、全ステージ中最も多いですが、可処分所得よりも消費支出が上回り、恒常的な赤字になっています。住宅ローンの負担がある世帯では、更に赤字幅が大きくなります。

■第5ステージ
子供が独立して、夫婦2人のみの世帯に戻ります。60歳以降は、世帯主の収入も大きく落ち込み、代わりに社会保障給付の金額が多くなります。可処分所得と非消費支出が概ね一致しているので、65歳以降の公的年金がフルに貰えるようになるまで、つなぎの期間と言えます。

>>ライフステージの収入と支出を見て、どう人生を設計する?

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