イラン人が週に2日も口にする人気の鍋料理
「ディズィ」は、羊のスネ肉、ひよこ豆、トマト、じゃがいもなどを6時間ほどコトコト煮込んだもの。イランのひとたちはなんと、週に2日は食べるという人気の料理でもある。その人気の秘密は、おいしさはもちろんのこと、スタミナがあり、美容食としても名高いところにあるようだ。羊肉などを長時間煮込んだペルシャの人気料理「ディズィ」
とある面とは、“食べかた”である。これがなんとも興味深い!
まず、料理はフタつきの壷に入れられ、やや深みのある皿とともにテーブルに運ばれる。すると店主がスープだけを皿にいれ、自家製のナン(薄いタイプ)をすべてちぎりいれる。そして、ナンがスープにしっかりと浸るようにスプーンでぎゅっぎゅっとおし、“さあどうぞ”と。まずこれをすべて食べてしまうのだ。
食べ終わると店主がやってきて、壷に残った具を皿にうつし、「ディズィ」専用のマッシャーで全体をよーくつぶして、“ハイ。パンといっしょにどうぞ”と差し出される。
これをパンにつけながら食べるのだ。なんと面白い提供方法だろうか。あらかじめ潰したものがドカンとでてきたら、きっとこんな新鮮な気持ちにはならないだろう。各国の台所、いや調理道具が気になるワタシにとっては、イラン製のマッシャー(それもディズィ専用のマッシャー)が見られただけでもなんだかトクした気分になってしまった。
ただ、このペルシャ鍋「ディズィ」はランチ限定であるので、ご注意いただきたい。イランでは夜にこの料理を口にすると、胃に負担がくるので、昼食に食べるのが一般的とのこと。この店でもそれに準じているそうだ。