かつては普段着としても活躍していたはずの
着物は、今や特別なときにしか着ない、敷居の高いものになってしまいました。しかし、私たちの中にはまだ日本人の民族衣装を楽しみたいという気持ちが、どこかに残っているはず。表参道の
「PASS THE BATON」で行われたイベントから、現代の着物の楽しみ方を考えてみましょう。
「PASS THE BATON」の一画に現われた、和のガラスケース
常設展示に加え、期間限定で登場する「LITTLE PAVILION」
所有していた人の想いや、物の背景にあるストーリーと共に出品アイテムを販売するリサイクルショップ、
「PASS THE BATON」。その表参道店の一画に表れたのは、象徴的な文様を配したガラスケースに包まれたブース。ここに、着物スタイリスト如月まみさんのプロデュースにより、数々の着物のプロからの出品着物が販売されていました。
ガラスケースの中に入ると、壁一面を覆いつくす真っ黒なシェルフに和のアイテムが並ぶ
着物以外にも、日本画や陶器、家具や小物など、和文化をトータルで楽しめる逸品が展示されており、インテリアのヒントも得られそうなブースに。
クリエーターが愛用した着物
「豆千代モダン」オーナー・デザイナーの豆千代さんが出品した家紋柄羽織 出品価格4万円
こちらは、日常着として着られるモダンな着物を販売する「豆千代モダン」のオーナー・デザイナーの
豆千代さんが出品した、
家紋柄羽織。
アンティークらしい柄行きで目を引く羽織り
大正~昭和初期のアンティーク品で、縞ぼかしの上に、こってりとした家紋柄が特徴的。反物をぴんと張り、刷毛で丁寧に染め上げていく
「引き染め」という、手間暇のかかる染めがなされています。
「大江戸和子」店長の結城かづ子さんが出品した大正期の着物 出品価格3万5千円
そしてこちらは、表参道にあるアンティーク着物ショップ「大江戸和子」の店長、
結城かづ子さんが出品した着物です。
桃色の小振袖は可憐なお嬢様といった印象
大正期の、繊細な柄行きが魅力の
小振袖。振袖といえば、未婚女性が着る最も格の高い礼装ですが、成人式や結婚式で着用される大振袖や中振袖に比べ、袖丈の短い小振袖はもう少し気軽に着ることが出来ます。ちょっとしたお呼ばれに最適な着物です。
次のページでは、着物スタイリストの如月まみさんをゲストに迎えたトークイベントでの着こなしをご紹介!