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「くつろぎ」をテーマに照明を考える(2ページ目)

家づくりをするとき、意外と後回しにされやすいのが照明計画です。けれども、照明の配置や器具の選び方次第で、くつろげる空間になることも、逆に落ち着かない空間になることもあるようです。今回は、「くつろぎ」をテーマに照明を考えてみましょう。

大塚 有美

執筆者:大塚 有美

長く暮らせる家づくりガイド

間接照明でくつろぎを感じる理由

心地よいホテルやレストランのように、空間にくつろぎを演出するには、間接照明が適しています。間接照明とは、一度壁などに光をあて、その反射光で壁面やコーナーなどを明るくする照明のことです。光が直接人を照らすわけではないので、光が柔らかいのが特徴です。人は暗い場所の中に明るいところがあると、光のあるところに目がいきます。そして、明るい場所を見つめることで落ち着いた気分になる傾向があります。このように、間接照明が用いられた空間で、私たちは柔らかい光を心地よく感じ、くつろいだ気分になるのです。

ブラケット

写真は間接照明のひとつ。壁を照らすブラケットと呼ばれるタイプ

また、照度の高い直接照明を使用した部屋より、照度の低い間接照明の部屋のほうが明るく感じることがあります。これは、室内照度は主に床面の明るさを測ることから起こる現象です。床面で計測する直接照明は数値が高くなりやすいのですが、人は照明で照らされた場所だけでなく、壁や天井、床などの反射光を含めて空間全体で明るさを判断します。そのため、実際の照度の数値が低くても、私たちは明るいとか、心地よいと感じることがあるのです。

何をするかを考えて間接照明をプラス

どの部屋にどんな照明器具を選べばいいのか、過ごす時間が長いリビングを例にとって考えていきましょう。

前ページでそれぞれの空間の用途によって適切な照明の基準が異なることを説明しました。リビングの場合でも何をすることが多いのかによって照明の基準が違ってきます。まず、部屋全般を照らす照明として、リビングに必要な照度30~75ルクスの照明器具を選び、読書灯や演出のための間接照明を加えていけばいいのではないでしょうか。調光器を取り付けて、必要に応じて明るさを調整するというのもよい方法です。

ただ、リビング全体を照らす照明は、とりわけ器具のデザインが部屋のイメージを左右します。例えば、長方形の部屋に丸型の照明を取り付けると、点灯したときに照明の存在感が増すでしょう。薄型の照明を選べば、天井の水平ラインに器具がなじみ、存在を主張しないので、部屋をすっきりと見せることができるはずです。これは、どちらが正しいということではなく、必要な照度を満たしていれば、好みやインテリアに合わせて選べばいいと思います。

照明を選ぶときは光源の特性を確認

照明器具を選ぶとき、考えなければならないのは光源の特性です。

白熱灯の電球は安価ですが、寿命は短めなので、電球交換のしにくい場所には不向きです。ただ、柔らかく暖かみのある明かりは長く愛されています。

蛍光灯は、白熱灯に比べると高価ですが、寿命が長く、電気代も安くてすみます。近ごろの蛍光灯は、青白い光だけではなく、電球色など暖かみの蛍光灯が増えてきました。形状についても電球型など、選択の幅が広がっています。

最近、その省エネ性能から注目されているのがLED照明です。住宅用の照明器具の中にもLEDに対応した製品が増えてきました。電気代の面でも、ランプの寿命の点からも、白熱灯をはるかに凌駕する性能をもっているLEDですが、白熱灯や蛍光灯に比べると高価です。そのほか、電源ユニットが熱くなるので密閉した場所に向かない、製品によってはちらつきが気になる、重いなどの注意点があります。

なかでも、一番注意したいのは、LED照明の配光です。白熱灯や蛍光灯は全体が輝くのに対し、LED照明はある一定方向に光を出します。そのため、下に向けて器具を取り付けた場合、下方向だけを照らすことになります。天井や、広範囲を明るくしたいのであれば、白熱灯や蛍光灯のほうが適切です。既存の照明器具の光源をLEDに変える場合も、特性を理解して、適材適所で選ぶようにしましょう。

照明計画は早めに立てよう

自分の思い描く照明計画を実現したいと思ったら、専門家に相談するのがよいと思います。完成度の高さだけでなく、選んだ照明器具によっては、特別な配線や、器具の重量を支える下地が必要になるなど、工事に影響がでることがあるからです。

また、このことからわかる通り、照明計画は早めに立てることが肝心です。最適な場所に照明を取り付けることができないことが後でわかったとか、自分の希望を優先して照明器具を選んだら予算オーバーしてしまったといった失敗談を聞くこともあります。家づくりを考え始めたら、早期に照明計画にも着手することをおすすめします。
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