一過性のブームにしないためには?
少子化なのに施設で暮らす子は増えています。私たちに何ができるか。伊達直人運動が、そのことをきちんと考えるきっかけにできるといいですね
一気に伊達直人運動が広がったことで、一過性で終わるのでは? という懸念の声も少なくないようです。ブームで終わらせないためには、1人、1人が関心を持ち続けるしかありません。
児童養護施設の多くは、様々な支援を求めています。子どもたちの学習支援や、施設主催の行事の手伝いなどにボランティアとして関わるのもいいでしょうし、年に1回でも何らかの贈り物をするというのでもいいかもしれません。七夕やハロウィーン、クリスマス、お正月、バレンタインなど、季節の行事のどれかを「伊達直人になる日」としてささやかな支援をするというマイルールを作るのもいいのではないでしょうか。
児童養護施設を知る最初の1歩に
もう1つせっかく盛り上がっているのだから、児童養護施設がどんなところか、どんな支援が求められているかを知る機会になるといいなとガイドは思います。
特に思いを寄せてほしいのは、卒寮した子どもたちについてです。児童養護施設に入寮できるのは、18歳まで。卒寮後は、自立しなければなりません。でも、頼る人もいない18歳が1人で生きていくのは、かなり厳しい時代ではないでしょうか?
たった1人で生きる自分を守るには、やはり、教育や資格が必要なのです。
以前、ガイド記事でも紹介しましたが、「高校卒業の学歴だけではなかなか良い仕事には就けないから、大学や専門学校に進学させたい」と願っている施設の方は少なくありません。ガイドが取材した児童養護施設では「様々な方の支援を受けながら多くの子が進学している」と話してくれましたが、全国的に見ると進学できる子は3割程度だといいます。費用の面で思いが叶わない子が多いそうです。
今、施設にいる子だけでなく、卒寮し、施設という居場所がなくなってからも、経済的あるいは精神的な支えが求められているのです。もしかしたら、卒寮後のほうが多くの人の支えが必要なのかもしれません。
卒寮した子どもたちの支援の方法は、様々ですので、関心があるかたは、お近くの児童養護施設に「卒寮した子たちの支援をしたい」と問い合わせてみるといいでしょう。
「伊達直人」さんをきっかけに広がる支援の輪。世の中まだまだ捨てたものじゃありません。これを機にあなたにもできる一歩を踏み出してみませんか?