ル・コルビジェの建築と光(2ページ目)

ユニテ・ダビタシオン（フェルミニ） 

ユニテ・ダビタシオンは、第二次世界大戦後の住宅復興事業としてマルセイユを初めとしたフランス各地やドイツのベルリンに建設されました。住居はいくつかのタイプにわけられ、幼稚園や店舗などが併設されています。また、建築・インテリア全てには、人体寸法と黄金比を基本としたモデュロールが用いられています。



フェルミニのユニテ・ダビタシオンは414世帯の建物で、現在も入居者が生活しています。内部を見学するには一日に2回行われるガイドツアーに参加します。ツアーでは見学用の住居と幼稚園、屋上を見ることができます。

建物は、小高い丘の上にあり、居室の窓からはフェルミニの街を見渡せます。 写真5は共用通路で、各部屋の扉に5つの色が付けられています。その色には、太陽、静脈などそれぞれ意味があるそうです。扉上部につけられたブラケットは、天井にも光が漏れるようになっており、扉の色に反射したカラーの光が天井を照らしています。

居室は、2フロアにまたがるメゾネットの空間で、東西に細長く、どの部屋も光を平等に入るよう設計されています。東西に窓があるため風通しが良く、吹き抜けと大きな窓によって、中に入ってみると狭さを感じさせない開放感があります。

家具や収納、照明もデザインされており、シンプルでまとまりがあります。

次のページでは色遣いが美しい幼稚園をご紹介します。