中古車/おすすめの中古車

中古車でしか買えないソアラを100万円台で

新年最初は、やはり高級車! トヨタの名車であり、絶版になってしまったソアラが100万円台で選べるようになりました。至れり尽くせりのスペシャルクーペ&オープンを、新車時価格の1/3以下で、今こそたっぷり堪能しましょう。

籠島 康弘

執筆者:籠島 康弘

中古車ガイド

トヨタ渾身の名車は、もう中古車でしか買えない!?


気づけばこんなに値落ちしていて「おいしい!」という中古車をご紹介しているこの企画。今回はトヨタソアラ(絶版)をご紹介したいと思います。トヨタの最高級パーソナルクーペとしてスタートした初代から数えて4代目となるこの車は、のちにレクサスSCへと昇華。とはいえ、レクサスSCとは「ただ呼び方が変わっただけ」くらいの違いしかありません。にもかかわらず、レクサスSCがいまだに200万円を切ることがないのに対して、ソアラは100万円台でも随分と流通するようになりました。

トヨタソアラ フロント

エンブレムは七宝焼きでしつらえられ、ヘッドランプにはトヨタ初となるディスチャージヘッドランプが採用されています。また高級車としての輝きを出すため、かなり凝った塗装技術で仕上げていますから、中古車でもその輝きが期待できます

4代目ソアラがデビューしたのは2001年4月。メルセデス・ベンツSLKが先鞭をつけた電動格納式ハードトップを採用し、「クーペなんだけれどオープンエアも楽しめる」というキャラクターが与えられました。「メルセデス・ベンツSLKが……」と書きましたが、そもそも2代目ソアラには、すでにルーフを電動で格納するエアロキャビンというモデルがありました。こちらはピラーやフレームが残るので、SLK以降の電動格納式とは少し違うのですが、1989年に登場したこのモデルは世界初の電動メタルトップタルガルーフであり、4代目のルーツはここにあるのです。

私が敬愛しいてやまない白洲次郎氏(ご存知ない方はぜひググってみてください)が、初代ソアラの開発に際し、愛車のポルシェ911でトヨタの東富士試験場にやってきて、これを分解して研究してくれと、そのまま911を置いて帰っていったという逸話があります。これを受け、豊田章一郎の「白州さんを納得させるような車をつくれ」という命のもと、トヨタの総力がつぎ込まれて生まれたソアラ。そのサラブレッドの最終モデルが、この4代目なのです。

トヨタソアラ リア

ソアラという車名は、風の中を滑空する高級グライダーに由来しています。ですから、オープンカーになっても実は不思議ではなかったのです。なお、当時はまだ珍しかったランフラットタイヤがオプションで用意されていました

しかし2005年7月にはレクサスSCへと名前が変わり、ついに2010年4月に生産中止が発表されました。国内市場におけるクーペ市場の縮小、それを受けてレクサスブランドでの戦略の見直しなどがあり、9年に及ぶ細々とした生産ラインはとうとう止まってしまったのです。ちょっぴり寂しい話です。

しかし別の見方をすれば、この名車を買うにはもはや中古車しかないわけです。当時のセルシオの4.3Lを積んで新車時600万円もした4シータークーペ&オープンが、100万円台で買えるのですから、クーペ市場の縮小も、そんなに悪い話ではないのかもしれません。原稿執筆時点で見ると、最安値は13.4万km走った149万円ですが、例えば189.8万円で6.2万km、それもマークレビンソンのサウンドシステムを搭載した中古車が買えます。

トヨタの総力が注ぎ込まれた末裔、4代目ソアラの魅力を、次ページでさらに見ていきましょう。

 

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