不規則睡眠・覚醒症候群の特徴

楽しい休暇

休暇中も、夜更かしはほどほどに。睡眠時間が完全にバラバラになってしまう病気もあるのです

年末年始や夏休みなどの長い休暇で生活リズムが乱れると、体内時計の働きが狂ってしまい、休みが終わっても元に戻らなくなることがあります。

多くの場合は、睡眠の時間帯が遅い時間帯にずれてしまう「睡眠相後退症候群」になりますが、時には睡眠と覚醒のパターンがまったくバラバラな「不規則睡眠・覚醒症候群」になることも。1日に3回以上眠ることが1週間以上続いた場合、この病気の可能性があります。

この「不規則睡眠・覚醒症候群」は、元々、生まれつき脳に障害がある子どもや頭のケガ、脳腫瘍、脳炎、脳卒中、認知症などに合併することが知られていました。しかし最近では、長期間、夜に睡眠を取らず、昼に眠る生活をしていると発症することが注目されています。また、自宅あるいは自室に引きこもり、体内時計を調整してくれる強い光に当たらないために発症するケースもあります。

不規則睡眠・覚醒症候群の患者さんの数は、それほど多くはありません。しかし、施設に入所している認知症高齢者や、重症脳障害児には多いのではないか、と推測されています。


睡眠の量と質が低下しても、総睡眠時間は保たれる

脳

脳にある生体時計の障害が原因です

不規則睡眠・覚醒症候群では、睡眠の時間が細切れになるだけではありません。1回の睡眠時間が短いため、深い睡眠が減り、熟睡できなくなります。逆に、眠りたい時刻に眠れなくなります。日中の眠気が強くなるので、昼寝も増えます。

睡眠と覚醒がバラバラなので、日中の集中力や意欲が低下し、体がだるく疲れやすくなるのが特徴。仕事や勉強が思うようにはかどらず、気分が落ち込んで脳の働きも悪くなってしまいます。認知症患者さんの場合、夜間のせん妄や興奮、徘徊が増え、介護する人の負担が増すといった問題もあるのです。

睡眠パターンはとても不規則になりますが、1日あたりの睡眠時間は年齢相応。重症度も、完全に不規則な睡眠・覚醒パターンを示すものから、夜間の一定の時刻に数時間ほど眠れる不完全なタイプまであります。

睡眠と覚醒のリズム以外に、深部体温や血中メラトニン分泌のリズムにも異常が見られます。通常、体温は1日に1度くらい上下しますが、不規則睡眠・覚醒症候群では体温の日内変動が小さくなります。

睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンは、朝に目が覚めてから14~16時間たつと分泌が始まり、翌朝、明るくなるころに分泌が止まります。不規則睡眠・覚醒症候群では、このパターンがはっきりしなくなります。これらはすべて、脳にある体内時計の機能が異常をきたしたためと考えられています。

不規則睡眠・覚醒症候群の治療法……まずは生活習慣改善から

太陽光

明るい光が、体内時計を治してくれます

脳の損傷や認知症が原因で不規則睡眠・覚醒症候群になった患者さんの場合は治療が難しく、対症療法しかありません。一方、昼夜逆転の生活など生活習慣が原因でなった場合には、生活習慣を見直すことで治すことができます。

特に大切なのは、明るい光を十分に浴びること。明るい光には、体内時計を正常にする強い力があります。日中はなるべく太陽の光を浴び、夜になったら明るい光を避けて、暗めの暖色系の光の下で生活しましょう。最近では、自宅で使える高照度光療法器具も市販されているので、それらを活用してみるのもよいでしょう。