老後資金、大丈夫?
豊かな老後のために、お金を借りるときは十分検討しましょう。生存中は返済不要のローンが見直されてきています
2011年度の年金支給額の0.3%程度を引き下げる方向で閣僚・総理大臣間で合意されています。0.3%というと、満額66,000円もらっている人で月200円程度。年間2400円程度の引き下げです。5Kgのお米とお味噌くらい買えそうな金額ですね。
2005年の全国消費者物価指数の平均を基準(100)とし、それを下回った年はその分翌年度の年金額を引き下げる仕組みを2004年の年金制度改革の時に導入しています。今年の物価指数は100を切るということですので、制度にあった措置ですが、だんだんと年金支給額が下がるのは不安なものです。
このような中、高齢な方がお金を借りるには「年金担保ローン」が有名でしたが、年金が減ってしまうことが心配、という声もありました。
そこで、アメリカではよく利用されているけれど日本ではなかなかなじまなかったローンが、再び注目されるようになってきたので、ご紹介します。
リバースモーゲージはご存知ですか?
カタカナばかりでわかりにくいと思われるかもしれませんが、お金を貸してくれる商品の名前です。でも、通常の「お金を借りる」とは少し違います。不動産をお持ちの方が使えるローンです。自宅・土地など自己所有の不動産を担保にお金を借ります。この担保は、死後に売却され、借りたお金を一括返済するということを前提にしたローンなのです。よく借金返済に困る人が「死んでも家だけは守りたい」といいますが、その逆で「死後は家を売るのでお金を貸してください」という商品です。
アメリカではよく利用されるローンで、日本でもバブル以前より存在していたのですが需要があまりなく、取り扱う金融機関もあまりありませんでした。しかし、最近は少子化ということもあり、相続する人がないとか、相続させる必要がないなどで自宅を遺産として残す必要性がうすれ、リバースモーゲージが注目され、見直されています。
このローン、返済は亡くなった後なので、生存中は今までのご自宅に居住することができるのも魅力の一つです。
メリットは?
リバースモーゲージのメリットは何といっても生存中の生活環境を変えることなく融資を受けられ、返済はなくなってからの自宅の売却でOKという点です。返済時に利息ばかりが膨らむことを避けるために、生存中でも利息部分のみ返済するとか、年収120万円以上などの融資条件を付けることにより、可能な限り返済負担を少なくし利用しやすくされている商品もあります。年金担保ローンのように手元に入る年金額が減ることはないので、生活設計が立てやすいのも魅力です。また、借り方によっては生活費の補てんという発想だけではなく、老人施設入所の一時金、リフォーム費用などにも使えます。豊かな生活を送る助けをしてくれます。デメリットにはどんなものがある?次ページへ>>>>