一瞬躊躇してしまうが、勇気を出して入ってみよう!
新大久保といえば、コリアンタウンとして名高いマチだが、最近ではハラルフード(イスラム教国で許されている食べ物)の食材店や料理店が増え、タイ、インド、インドネシア料理店などもお目見えするようになり、様々な国の料理を体験できるマチになっている。ワタシが住んでいた15年以上前とは変わり、やや開放的な雰囲気になっているようだ。入り口は入りにくいが、扉を開けるとネパールの食世界が広がっている
店内は14席ほど。キッチンはオープンになっており、以前はパブだったのかな?と想像してしまう雰囲気だ。少し上を見上げると、ネパールのテレビが放送され、壁にはネパールのカレンダーが。客の大半はネパール人。ネパール語が飛び交うこの空間は、まさにネパールの地。しかしながら、美味しい食事が愉しめそうな空気が漂っていて、実直そうな人柄の店員に、ほっ。安心することうけあいだ。
おすすめはネワール族の料理
バラ、チョエラ、チウラ、アツァール(大根の漬物)、バタマス(豆の和えもの)が盛られた「ネワリセット」
逸る気持ちを抑えながら、他のメニューに目をやると、定番の「ダル・バート」に「モモ(ネパールの蒸し餃子)」、「スクティ(干したマトン)」、「パングラ(砂肝の炒めもの)」……おっと、「ブトゥワ(羊の内臓の炒めもの)」まである。かなり鼻息が荒くなる。しかも、リーズナブルだ。
羊の内臓炒め「ブトゥワ」。鹿のブトゥワがあるときも
聞けば、以前この店で料理を作っていたという日本語が堪能な店員はネワール族で、カトマンズの料理店で腕をふるっていたという。現在の料理人も、ネワール族ではないものの、ポカラにある(あった?)自分の店で料理を作っていたとか。
ソースに加えられたネパール産山椒とゴマの風味が鮮烈な、ネパール蒸し餃子「モモ」
だけど、ここにはネパール人たちの台所がある。おつまみ1品でテレビを観ながらひとりビールを傾けるひとや、数人でお水を飲みながら食事と会話を愉しむひとたちなど、彼らの日常の一端を垣間見ることができ、自分もその場所に身をおくことができるのだ。いやはや、なんとも貴重な店といえるのではないだろうか。
この店を後にすると、“さあ、今度はいつネパールに行こうか……”。いつも本気でそう思うワタシだが、そんなことを考えるのはワタシだけではないはず!
っとと。勝手に言い切ってしまったけれど、ネパール居酒屋「モモ」の実力はそれほどのものだと、理解していただけたらと思う。
■ネパール居酒屋「モモ」
所在地:東京都新宿区百人町2-10-9-204
営業時間:11:00~17:00 17:00~23:00
TEL:03-6279-2305
定休:無休
交通・アクセス:JR新大久保駅より徒歩1分
地図:Yahoo!地図情報