湯乃上館で美食を満喫!
実は湯乃上館は食事が美味しい宿としても有名。茅葺屋根の囲炉裏食事処が一つあり、早いもの勝ちの予約制になっています。私が予約した時には、「食事処は既に予約済みですが、よいですか?」と聞かれました。私の目的は温泉なので、気にせずに泊まりましたが、この宿の料理の旨さを知ってしまうと、やはり一度は囲炉裏でも食べてみたいと思ってしまいます。しかし、通常の部屋食でも、この宿の料理への執念は痛い程良く分かります。宿泊料が安いので、高級食材のオンパレードという訳には行きませんが、地元の吟味された食材を、吟味された調理法、調味料、盛り付け、すべてに渡ってこだわっているのです。
一例として鮎の写真を掲載しましたが、焼き加減の完璧さには、恐れ入りました。他の宿では焼き過ぎて焦げていたり、生焼けだったり、鮎には良い思い出が無かったので、安心して食べられて本当に幸せでした。その幸せが全ての皿に貫かれているのですから、評判になるのも納得です。
和食では米が主役ですが、湯乃上館の米は本当に美味しく、止められない止まらない、本当に米だけ食べられてしまう程、旨いのです。聞けば仁多米という地元の米との事。翌日は島根の出雲湯村温泉から、兵庫の山陰湯村温泉までの大移動を予定していたので、仁多米を買う時間の余裕が無かったのですが、今になって買えなかった事が、本当に残念でなりません。
もう一つ、この宿の朝食で驚いたのが番茶です。急須を見ると葉だけでなく、茎や枝まで形のまま入っており、ハーブティーかと思ったのですが、実に旨い番茶でした。加賀温泉郷で、加賀棒茶という茎だけの番茶を知っていたのですが、そうでなければ、なぜ茎がと疑問が渦巻いたに違いありません。やはり地元のお茶で、宿で販売していたので、お土産に買い占めてきました。
次ページで、湯乃上館の部屋をご紹介します。