あのシャランが復活
今冬、フォルクスワーゲンから新型トゥーランと復活シャランが発表された。ミドルクラスのトゥーラン、ラージサイズのシャランを揃えることで、日本のミニバン市場でも存在感を示すことは間違いない。
まず注目のシャランから見ていこう。初代シャランは、フォード・ギャラクシーの兄弟車として登場。97年に日本に上陸し、98年まで累計約1200台が販売された。日本から姿を消して約11年、フルモデルチェンジは約15年ぶりだ。2代目となるシャランだが、途中ドイツ本国でマイナーチェンジを経ているとはいえ、これだけの期間が空いているわけだから日本ではブランニューモデルと言っても過言ではないだろう。
どんなミニバンか興味のある人も多いはずだが、全長4855×全幅1910×全高1750mmというスリーサイズで、エスティマやオデッセイなどと肩を並べる堂々たる大きさ。とくに全幅のワイドさが目を引くが、ドアミラーの形状を工夫するなどして、狭い道での取り回し性にも配慮している。乗車定員は「2-3-2」の7人乗りだ。
小排気量+DSGをミニバンにも
グレードは装備の違いで、TSI コンフォートラインとTSIハイラインの2種類。前者は16インチ、後者は17インチを装着する。ハイラインにはリヤビューカメラやパワーテールゲートが用意。大開口の両側スライドドアを採用する。
2代目シャランに積まれるエンジンは、1.4LTSIツインチャージャーで、6速DSGを組み合わせる。同時発表された新型トゥーランは乾式の7速DSGを採用するが、シャランが6速なのはDSGの許容トルクのためと欧州で要望の強い牽引に対応するためだという。6速といっても最新DSGの完成度は非常に高いから、取り立てて不利になることはないだろう。低燃費なのにドライバビリティに富む「TSI+DSG」のパワートレインに加えて、アイドリングストップ機構やブレーキ回生機構を備えるなど、最新の燃費向上デバイスが用意されているのも注目だ。
注目の走りに関しては、来年またご紹介するが、室内やシートアレンジに数々の工夫が散りばめられているのが印象的だ。サードシートへのアクセスが容易なユニークなウォークイン機構や、座面が反転して背もたれをフラットに倒せるサードシートの格納方法など、日本のミニバンにはない実用的なアイディアが具現化されている。300万円台後半からの価格も含めて、日本のラージミニバンに魅力的な選択肢が加わったことは間違いない。
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