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来年の年金は増える?減る?年金額決定のルール(3ページ目)

年金の金額は、毎年見直されます。どのようなルールのもとで見直されるのかについて、簡単に解説します。

やがら 純子

執筆者:やがら 純子

マネープラン入門ガイド

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 なぜ、今も物価スライド制が適用されているの?

楽しい老後を支える年金

楽しい老後を支える年金

マクロ経済スライド制が導入されたのに、なぜ今も物価スライド制が適用されているのでしょうか。簡単に説明しましょう。

平成11・12・13年度は、前年度に比べて消費者物価指数が低くなりました。物価スライド制によれば、翌年の平成12・13・14年度の年金受給額は減らされるはずでした。しかし、高齢世帯からの反発を予想して、年金受給額は減らされず、そのまま据え置かれました。このため、現在の年金受給額は、本来の年金受給額よりも多い金額になっています。年金受給額に反映されなかったマイナス幅は、3年間の合計で1.7%分です。

新しい制度に変更するには、年金受給額を本来のルール上の適正な水準に直さないといけません。しかし、急激に年金額を下げると、社会が混乱してしまいます。そこで国は、この1.7%の差が自然に解消されるまで、マクロ経済スライド制の導入を待つことにしたのです。

では、自然な解消とは、どういうことでしょうか。物価スライド制は、物価が上がると年金受給額も増えるというルールですが、今後物価が上がっても年金受給額を上げずにいれば、差は縮まり、いずれ解消されます。そして、年金受給額が物価スライド制のルールにのっとった本来の水準になった時に、マクロ経済スライド制に移行するというわけです。

しかし今は、デフレの進行で消費者物価指数が下がっていますので、もうしばらくの間は、物価スライド制が適用され続け、年金受給額が下げられることはあっても、上げられることはなさそうです。

次のページで年金保険料について解説します。

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