素朴な見ために反して奥深い味わい
多種類のハーブが惜しげもなく使われた「レモングラスソーメン」
魚をベースにレモングラス、こぶみかんの皮、葉、ターメリックなどが加えられたなんとも贅沢なスープなのだが、見ためはいたって素朴。でも、口にするとその奥深い味わいにハッとさせられることうけあいだ。
国は違えど、国境を接した国同士は類似した料理が存在するのがツネ。タイでいう「カノムチン・ナムヤー」と同じ系統だといえば、味の想像がつき、興味が湧くかたも多いだろう。
現在、オーナーシェフであるセタリンさんはカンボジアに拠点を移し、カンボジアと日本を行ったり来たりの生活だというが、彼女の味をしっかりと受け継いだ料理人が、クメール料理の核となるペーストを毎日コツコツと丁寧に作っているので、彼女が不在のときでも、おばあさまの味は色あせることなく、しっかりと伝えられていくことだろう。そう願いたいものだ。
フランスの置き土産であるコーヒーとフランスパン。双方とも現代のカンボジア家庭にしっかりと根付いた日常食となっているので、こちらもぜひお試しいただきたい。フランスパンは、カンボジア流に汁麺に浸して食べてみてくださいね。そうそう。この店の収益は、すべてカンボジアの教育等の発展に役立てられているそうですよ。
「アンコール・トム」は、カンボジアの文化を伝え、多くのひとに料理を通じて何かを感じていただきたい、そんな想いで営業し続けてきた店。これからもひとつのコミュニティーの中心として発信し続けていくことだろう。
所在地:東京都町田市原町田6-11-14菊甚ビル3F
TEL:042-726-7662
オフィシャルHP:「アンコール・トム」