一度食べたら忘れない?!エチオピアのナショナルフード

あの国を訪れたい!そう強く願いながらも、足を運べずにいる国というのはいくつかあるのだが、そのひとつにエチオピアがある。

エチオピアというと、料理を食べたことがない頃は、アフリカ大陸東部の乾いた土地、「裸足のアベベ」、このふたつが真っ先に頭をよぎったものだった。アベベとは、ご存知ローマオリンピックのマラソン競技において、裸足で駆け抜け、東京オリンピックのときとともに“涼しい顔”をしてトップでゴールした、あの「アベベ・ビキラ」のことである。

私がアベベのことを記憶したのはリアルタイムではなかったものの、ゴールしてもなお余裕のその表情に、“あの体力と精神力は驚異的。別格だわ!”などと度肝を抜かれたことは覚えている。

とこんなふうに、エチオピアをイメージするときは、アフリカ大陸の遠い国とアベベの2ワードが浮かんできていたのだが、18年ほど前にオープンした中目黒のエチオピアンレストラン、「クイーン・シーバ」で初めてエチオピア料理なるものを口にし、“とある料理”と出合ってからは、その図式が一変した。

その料理は強烈なインパクトをもって私の舌に、鼻腔に、そして脳にしっかりと記憶され、“エチオピア=とある料理”なる図式が新たに定着したのだ。そしてそれ以降、日を追うごとに遠いかの地への憧憬を駆り立てられるようになったのである。

食べてビックリ!酸味があるエチオピアンブレッド

インジェラ
エチオピアの主食「インジェラ」。見ためはそば粉のクレープのようだが、お味は・・・
さて、それほどまでに強い個性をもち、私にとって忘れられない料理となったもの、それは・・・「インジェラ」だ。
インジェラはエチオピアの主食で、グレーのような茶色のような色をした、丸くて薄いクレープのような食べものである。

「テフ」と呼ばれる、見ためがポピーシードのようなイネ科の植物を粉にし、水に溶かして発酵させ、鉄板に流して蒸し焼きにしたものなのだが、これがまた特有の酸味があって、実に個性的なお味。
モッチリしているうえ、表面にはポコポコと気泡があるので、スポンジのような食感も。とにかくいままで出合ったことがない、なんとも不思議な食べものなのだ。

私は酸味の強いパンが好きなので、このインジェラはずばりストライクゾーンだったけれど、苦手なかたは結構いるのではないかな。この酸味がどうもね・・・というかたが。でも、逆に気に入ったひとには魅了される、クセになる食べものではあると思うな。

さて、このインジェラ、東京近郊で食べられるところは、先ほど挙げた中目黒の「クイーン・シーバ」だけだったのだが、なんとこのほかに食べられるお店が新たに加わった。