建築家・設計事務所/建築家住宅の実例

空間を貫く光の大黒柱[南青山M]

都心屈指の立地でありながら法規による様々な規制を受ける住宅密集地に、外に閉じながらも街の気配や自然を感じながら安心して暮らすこと。この難題を、坪庭とユニークな階段室で見事に解いた家があります。高級感のあるデザインで注目されている若手建築家のチャレンジングな仕事をご覧下さい。

執筆者:川畑 博哉

青山という都内でも指折りの高い地価に加え、住宅密集地という2つの厳しい立地条件をクリアして、いかにして満足のいく快適な住宅を建てるか。この命題に建築家の廣部剛司さんは、法規による規制を最大限に利用したヴォリュームと、外を壁で閉じながら内側に坪庭を設けるという発想で答えました。さらにこの家の最大の特徴となる、あるデザインが隠されていたのです。

立ち上がる表情豊かな大壁


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外観
1. 外壁はアクリル樹脂の櫛引仕上げ。 2. 黒い玄関扉と2階リビングのガラスブロックと3階のサロンの丸窓が一直線に立ち上がる。丸窓には鳥のクチバシのような雨樋が付いている。


この家のファサードは路地に対して真っすぐ立ち上がる8.7mの大壁。しかし淡いアースカラーの櫛引仕上げと、規則的に開けられた正方形の小窓や、ガラスブロックや丸窓や、屋根の左右の切り欠きによって、巧みにその圧迫感を和らげています。ガレージのシャッターと特注のスチール製の玄関扉の黒色が、全体の表情をギュッと引き締めています。

◆建築家プロフィールと建築データ


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