建築家・設計事務所/建築家住宅の実例

空間を貫く光の大黒柱[南青山M](2ページ目)

都心屈指の立地でありながら法規による様々な規制を受ける住宅密集地に、外に閉じながらも街の気配や自然を感じながら安心して暮らすこと。この難題を、坪庭とユニークな階段室で見事に解いた家があります。高級感のあるデザインで注目されている若手建築家のチャレンジングな仕事をご覧下さい。

執筆者:川畑 博哉

光に溢れる八角階段


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階段室
1. 塔屋の天窓と階段上部。船舶用のロープを編み込んだコアが地階まで続く。 2. アーチ状にくり抜かれた3階の入口。内壁は白い珪藻土仕上げ。 3. 角を大きくくり抜かれた2階の入口。 4. 最上階からの階段室の見下ろし。踏み面は半透明のポリカーボネート板。 5. 階段室の見上げ。壁から張り出したスチールの角材が踏み面を支えている。


この家を背骨のように貫くのは北東側に据えられた八角形の階段室。室内側はあえてコンクリート打放し仕上げにして安定感を強調し、内側は刷毛目を残した白い珪藻土で塗り込めた中に、透明感のある螺旋階段を設えています。トップライトから白いロープのコアを伝って自然光が降り注ぐ中に佇んでいると、天上の音楽を聞いているかのような幸福感に満たされます。この階段は階下に光を届けるだけでなく、プランにメリハリをつける手がかりとなり、大きな梁を不要にして高い天井を確保するという、一石三鳥の役割をもった大黒柱なのです。

◆建築データと建築家プロフィール


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