「編成材」を使った挑戦的な試み「ZIG HOUSE/ZAG HOUSE」


世田谷の三軒茶屋にほど近い三宿。太子堂商店街を抜けたあたりに、この「ZIGHOUSE/ZAG HOUSE」は忽然と現れます。その登場感のすごさは、やはりここが自然の森の中の美術館のように見えるからでしょう。


その名前の示すとおり、この住宅はピロティを介して結ばれた2つの建物(法的には1棟)によって構成されています。向かって左手の「ZIGHOUSE」は古谷誠章さんのご両親の家、「ZAG HOUSE」は古谷さん家族の家というわけです。

古谷さんは言います。
「ここには昔から親父やぼくが遊んだ庭と木々があって、それをなんとかうまく残せないかと考えました。だから大きな開口部と地面と生活空間がフラットにつながった発想が出てきた。そして庭の自然と調和する木を生かした建築、これも重要な要素でしたね」


なるほど、庭には梅や椎、松、銀杏、紅葉、桜、柿などが入り交じった大木が600平米の敷地を埋めています。本体の部分は総2階建てで、柱と梁はホワイトパインの集成材、そして壁には厚さ72ミリの杉の編成材、2階床と天井には厚さ59ミリのヒノキの編成材が使われているそうです。壁には筋交いがなく、どこもかしこもフラットでシンプルです。また、古谷さんの言葉にもあるように、縦長のプロポーションの壁とガラスが同じリズムで連なる構成は、まるで庭の木々と四季折々の情景を内部に取り込もうとしているよう。う~ん、だから美術館に迷い込んだような気がしたのかな。