図面はなぜ必要なのか
現場でトラブルになりやすいのが、「こんな風になるとは思っていなかった」「こんなイメージのものがつくとは考えていなかった」というような話です。建物はスーパーなどで売られている商品のように手に取ったり眺めたりして購入することはできません。建てていく過程を眺めていき、出来上がって初めてこんな感じになるのかという実感が湧いてきます。平面の間取りの段階はともかく、立体になったときにトラブルが発生する場合が多くあります。つまり天井や家具などの高さ、照明の位置、飾り棚、換気扇の位置などさまざまです。本来これらは展開図という図面で表現されます。ハウスメーカーなどはほとんどの場合展開図がないため、高さなど細かい確認ができないのです。家は0からつくりあげていくものなので、あらゆる角度から見た図面で構成されていなければイメージは湧きづらくなります。図面が少なくても工事金額がでるのは、今までのデータや経験値で算出しているからです。画一的な家であればそれでも良いかもしれませんが、こだわりの家をつくりたい建て主にとってはそれではいけません。やはり図面の内容と工事見積りが頭の中で整理されていなければなりません。
ガイド佐川のワンポイントアドバイス
近年はトラブルを防ぐために各メーカーがコンピューターグラフィックや模型などで建物の完成をイメージさせる工夫をしています。しかしそれでもトラブルは起きます。その際にはお互いに必ず確認できる図面を作成しておくことです。それにはまず第一に、図面がしっかりと表現されていること、それに基づいた見積り書になっていることが重要です。家はわずか2~3枚の図面でも建ちます。本当に30~40枚も必要なのかという質問もあるかもしれません。これは家づくりのスタートである「どこに依頼するか」によって大きく違うということを知っておくことです。それにはまず自分達家族が家づくりに対し大切に思っていることは何か、どんな家をつくりたいのかということを明確にすることからはじめましょう。