飲酒・アルコール/二日酔い症状の対策・解消法

日本人は悪酔いしやすい? 簡単な悪酔い予防法(2ページ目)

頭痛、吐き気、動悸などの症状が表れる悪酔い。日本人は遺伝子的にも悪酔いしやすい民族と考えられます。アルコールが小腸からの吸収されるスピードを遅らせ、悪酔いの原因となるアセトアルデヒド分解を促進する方法を知って、上手に悪酔いを予防しましょう。

西園寺 克

執筆者:西園寺 克

医師 / 感染症・健康情報ガイド


飲み会前の予防策! 悪酔い予防にコンビニで肉食獣に変身

飲む前に肉食獣の虎になる!

飲む前には肉食獣の虎になる! ビーフジャーキーや卵など、動物性たんぱく質を胃に入れておきましょう

アルコールは、胃より小腸で多く吸収されます。アルコールの吸収、すなわち小腸での吸収を遅らせることは、悪酔いを防ぐ方法の一つです。これには、胃にある程度食べ物を留めておき、胃の内容物が、胃から小腸に移動する時間を長く取れるようにするのがポイント。

消化器である胃ですが、本来の働きは、胃酸で食べ物中の微生物(細菌)を殺すこと。火を使う調理法がなく、保存方法がなかった昔、細菌に汚染されている可能性がもっとも高い食料だった肉は、胃に留まる時間が非常に長いようです。肉や、胃酸で固まりやすい食べ物を食べておくことが、悪酔い防止に役立ちます。

具体的な食品をご紹介しましょう。宴会前にコンビニで入手でき、悪酔い防止に役立ちそうな食べ物は、高たんぱく質の卵、卵製品、ビーフジャーキーなど。映画のロッキーのように生卵を飲む技も、悪酔い予防には有効です。生卵の白身のアビジンはビタミンに近い性質のビオチンの吸収を妨害してしまいますが、飲み会の日限定ならば心配は無用。甘党ならば大きなプリンを食べる手もあります。

飲み会の最中は、カメのようなスロー呑みで悪酔いを予防!

肉や卵を胃に納めたら、いざ飲み会です。経験則では、多く呑んだ時に悪酔いするのは確か。悪酔いしなくても二日酔いすることがあるのも、確かです。アルコールは全部吸収され、アセトアルデヒドも全部分解されます。アセトアルデヒドの最高血中濃度を高くしないのが、悪酔いしない方法ということになります。これには時間が関係します。

空腹時にアルコールを一気に呑んだ場合、30分後くらいにアルコールは最高血中濃度になります。アセトアルデヒドの最高血中濃度になる時間は、アルコールよりも遅れた時間です。イソップ寓話にある『ウサギとカメ』の話に例えると、同じ量でも亀のようにゆっくり呑み進めるのが、悪酔いを避けて無事ゴールする方法。一気呑みは御法度です。最初はアルコール濃度が低い飲み物から、ゆっくりと呑み始めましょう。なかでもビールを使ったカクテル、例えばシャンディガフ(ジンジャーエール)や、レッドアイ(トマトジュース)などはアルコール度数が薄いので、お薦めです。もちろん、アルコール濃度が低い飲料でも大量に呑めばアセトアルデヒドはいずれ上昇します。量も適度に。

悪酔いする可能性が高いのは美味しくて早く飲めるものです。発泡性ワインはビールの3倍程度のアルコールを含むので、ビールのようなつもりで呑むと悪酔いする可能性が高いです。

最後に、もっと手軽でデスクに常備できる予防食品を一つご紹介しましょう。
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