MRの転職/MRの転職事例

人気分野、MR復帰、子育て…MR経験者転職事例(2ページ目)

抗がん剤取り扱い経験なしで、人気のオンコロジー領域専門MRへの転職を果たしたYさん。MRから異業種に転職した後、厳しい選考を通過して再びMRに復帰したSさん。年齢に比べてMR経験年数が短いハンディを乗り越えたNさん。そして小さな子供を育てながらMRに復帰したHさん。それぞれの事例に基づいて、難しい転職を実現できたポイントを見ていきます。

高橋 俊夫

執筆者:高橋 俊夫

MRの転職ガイド


年齢に比べてMR経験が短いハンディを乗り越える

異業種からMRに転職する場合、製薬会社の正社員募集は少ないため多くの人はCSO(Contract Sales Organization:MR派遣およびMR業務受託企業)と呼ばれる企業にMRとして入社します。そうした人の多くは、再度の転職で製薬会社の正社員MRを目指しますが、その際にネックになるのが年齢に比べてMR経験が短い点です。

Nさんは注文住宅の営業職を5年間経験した後、CSOにMRとして転職しました。最初の2年間は国内の製薬会社にMRとして派遣され、2社目の外資系製薬会社への派遣期間終了後の転職を目指して活動を開始。年齢はその時点で31歳になっていましたが、MR経験はまだ3年半。新卒でMRになった人は8~9年経験している年齢です。

そこでNさんが考えたのが、経験年数の短さを逆にアピールに利用するという方法です。前職で顧客ニーズを把握するコミュニケーションスキルを磨いていたNさんは、MRとして1社目の派遣先でも半年もすると実績を上げ始め、次の派遣先も含めて継続して実績を上げ続けました。

職務経歴書にはそうした数字の実績に加えて、忙しくて競合他社のMRも会えないドクターとも信頼関係を作り上げて実績につなげた事例や、病院の経営ニーズに応えて信頼を得た事例、それに症例検討会や説明会での具体的な工夫例などを盛り込みました。

さらに社内の専門知識試験での好成績も記載しました。そうすることで、短い経験年数でありながら、難しい環境でも高い実績を上げられる実力やニーズに応じた企画力、専門的知識を身に付けている、学習能力の高いMRであることをアピールしたのです。

その結果、Nさんは2社目の派遣期間終了後に外資系製薬会社に転職を果たしました。年齢に比べてMR経験年数が少ない場合は、面接官に「短い期間でよくここまでMRとしての知識・実力を身に付けたものだ」という驚きを感じさせられるくらいインパクトのあるアピールが必要です。

小さな子供を育てながらMRに復帰

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ママMRの復帰は育児のサポート体制が重要

製薬業界では、外資系メーカーを中心に女性MRが長く勤務しやすい環境づくりに取り組む会社も増えてきました。そうしたなかで、出産退社した後に子育てをしながらMRへの復帰を希望する女性も目立つようになってきました。

HさんはMRとして3年間勤務した後、出産して2年半前に退職しました。子供も3歳になり保育園にも慣れてきたため、MRに復職したいと考えるようになりました。当初は製薬会社の正社員MRへの復帰を目指しましたが、MRを離れてからの年数も長く、勤務できる地域は自宅から通える範囲となるとどこも書類選考を通過することができず、コントラクトMRとしての復帰に方針を変えました。コントラクトMRでもなかなか難しい状況でしたが、希望通り自宅から通えるエリアでMRに復帰することができました。

MRへの復帰ができたポイントは次の3つでした。1つめは育児のサポート体制が整っていたこと。朝早くから遅くまで預かってもらえる保育園があっても、子供の具合が悪くなったような場合は困ります。Hさんの場合は実家が近くにあり、いざというときにはご両親に子供の面倒を見てもらうことができました。

2つめは辞める前に担当していた製品と同じ領域を扱う求人案件で、かつてのMR経験が十分活かせたことです。

そして3つめは夫が転勤のない仕事だった点です。コントラクトMRは通常1つの案件の契約期間は2~3年です。この間に夫の転勤で勤務できなくなってしまうリスクがなかった点も安心して採用できた理由でした。

このように小さな子供を抱えてのMR復帰には、クリアすべき条件がまだかなり多いといえます。1つめと3つめの条件をクリアできる人は、クライアントの多い大手CSOであれば経験を活かせる求人案件を見つけ出せる可能性は十分あるといえます。
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