抗がん剤未経験でがん領域専門MRへ

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オンコロジーMRは主体的学習の習慣も重要

多くの製薬会社がオンコロジー(がん)領域に力を入れてきているなかで、オンコロジー領域専門MRへの転職を希望する人も増えています。そのため応募者も多く、特に抗がん剤を扱った経験のないMRの方々にとっては狭き門となっています。そこで抗がん剤未経験でオンコロジーMRへの転職を果たしたYさんの例から、オンコロジー領域専門MRへの転職成功のポイントを考えてみましょう。

Yさんは文系出身で、新卒で国内の製薬会社に入社して6年目を迎えた28歳の男性MR。これまでは幅広い領域の薬剤を扱ってきており、4年目からは基幹病院を担当していました。

情報収集力に秀でており、ドクターだけでなく看護師、薬剤師、検査技師など病院内の様々な関係者と積極的にコミュニケーションをとって情報収集を行っていました。そうした情報収集への意識の高さが、ドクターの治療上の悩みを把握した的確な情報提供や、ニーズに応じた研究会や講演会の企画につながっていたようです。

学習意欲も高く、プレゼンテーションスキルを高めるために自費でセミナーに参加するなど、自己啓発も積極的に行っていました。また、自分が好む学術的なMR活動を最も活かせるのがオンコロジー領域であると考え、志望動機や転職後のキャリアイメージも整理できていました。

オンコロジー領域は基幹病院のドクターに対して、学術的な活動で信頼を得て処方につなげていく活動が求められます。そのため基幹病院担当経験が全くないと転職は難しいかもしれません。ただ、基幹病院経験があるだけでは足りず、Yさんのようにドクターの治療上のニーズに的確に応えて信頼を得てきたという実績が必要です。

学習意欲の高さも重要な成功要因だったと考えられます。領域経験を問わずに募集するのは、入社後の勉強で知識は身に付けられると考えているからです。従ってYさんのように主体的・積極的に勉強する習慣は、オンコロジー領域未経験者にとっては不可欠だといえます。

MRから異業種に転職した後、MRへの復帰を果たす

MRから異業種・異職種に転職し、再びMRへの転職を希望してご相談に来られる方もけっこういます。ただ、そうした方々に対する製薬会社の対応はなかなか厳しく、実際にMRへの復帰を果たせる方は決して多くはありません。

Sさんは外資系製薬会社で中枢神経領域MRとして4年間勤務した後、生命保険会社の営業職へと転職しました。そして10ヶ月後に再びMRへの復帰に挑戦しました。

転職にあたってSさんがいちばん時間をかけて準備したのが「なぜMRを辞めたのか、そしてなぜ再びMRに戻りたいのか」という点でした。面接での想定問答も考え、複数の友人に聞いてもらいながら準備を重ねたといいます。応募先企業選びでも、自分の経験が活かせる中枢神経領域に絞り、なおかつ大量採用の募集が出るのを待って応募しました。

応募先企業への志望動機の強さを印象づけるために、その会社の製品の特長を調べ「自分だったらこう売る」ということまで話せる準備もしました。職務経歴書にはMR時代の実績や工夫して取り組んだ事例に加えて、お客さんから他のお客さんを紹介してもらう営業スキルを学んだことなど、生命保険会社での経験でMR活動に活かせる点もアピールに加えました。そうした徹底した事前準備のかいあって、SさんはMRへの復帰を果たしました。

Sさんの例に見られるように、MRへの復帰には3つの重要な点があります。1つめは、転職理由の納得性や志望動機の強さ。現役MRの転職でもこの2つは重視されますので、いったんMRを辞めている人はなおさらです。面接用につじつまを合わせただけの話では、ベテランの面接官は納得してくれません。Sさんのように時間をかけてでも、MRという仕事への真剣な復帰意欲を伝える準備が必要です。

2つめは過去のMR経験に対する高い評価を得ることです。それにはSさんのように以前の専門領域経験を活かせる応募先だと有利です。高い実績を上げていることに加えて、難しい環境で工夫しながら成果を上げられたという事例を伝えられれば評価が高まります。

3つめは復帰しやすい求人案件を選ぶということです。Sさんが選んだような大量募集の場合は、特に募集開始後の早い段階では十分な応募者が集まるか不安もあるため書類選考要件をやや緩くする場合もあります。また配属予定地が決まっている募集で、それが人気のない地域の場合も応募者が集まりにくいため書類選考が緩くなる可能性があります。

MRへの復帰のハードルはかなり高いということを理解し、十分な事前準備を真剣に行うことが必要です。