色んなユーザーがいて、色んな遊び方があって、そしてゲームはどうするか
ゲームボーイでポケモンが登場した時に、環境としてのゲームの役割は少しずつ膨らみ始めたのかもしれません。(イラスト 橋本モチチ)
ポケモンBWを例に取るなら、確かに、ポケモンシリーズは通信による対戦やポケモンの交換が大きな特徴ということで有名です。じゃあ、対戦しない人はポケモンBWを遊ばないのか、交換しない人は遊ばないのかというと、実はそんなこともないんですね。普通にRPGとしてひと通り遊んで、それで満足する人もボチボチいるはずです。また、そんなに対戦にこだわってはいないんだけど、でもちょっとはやってみたいとか。もちろんドップリはまって対戦用の強力なポケモンを育てている人もいるでしょう。
何が言いたいかというと、ポケモンシリーズのような、本編新作を出すたびに500万本とか、600万本も売れるゲームというのは、子供も、大人もいて、色んな層の人が色んな遊び方をしていて、それを吸収しているということです。
一言で言えば、多様化している、という話です。DSやWiiが発売されて、新しい層がゲームを遊びはじめたここ数年は、この多様化の波がさらに大きなものになり、ゲームに新しい役割が求められています。PSムーブやKinectも、多様化への対応を試みた結果であると言えます。
ただ、Wiiにしても、PS3やXbox 360にしても、据え置きゲームというのは多様化に対応しづらい側面を持っています。それは、遊ぶ場所が固定されているというのが1つの原因だと考えられます。自分の部屋で家族とKinectは遊びにくいでしょうし、リビングにあるWiiで長時間の1人用ゲームははばかられるという人もいるでしょう。そこで現状は、Wiiに求められるゲームと、PS3やXbox 360に求められるゲームの傾向は、全く違うものになっています。
これから、1人用のゲームが無くなるとも、みんなで遊ぶパーティーゲームばかりになるとも言えません。しかし、色んな遊び方が要求される、ということはあるでしょう。そしてそれにどういう形で答えるのかが、重要になっていくのではないでしょうか。
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