第2条 親と「振り込め詐欺」について会話せよ
「オレを思ってしてくれたのは分かるが」 |
「仮に交通事故を起こしたとしても、警察官が“示談”を持ちかけることはないので、警察官とか弁護士とか名乗っても信用してはいけない」
「“痴漢”をして捕まったと連絡が来ても、“示談”と言われても信用してはいけない。そんなことはあり得ないから」
「ヘンな女性とは付き合ったりしない。女性に望まない妊娠をさせることもない」
「会社の金を使い込んだりもしないし、借金の保証人になることもない」
「借金をしたとしても、親に肩代わりさせるようなことはしない」
など、しっかりと「あり得ない」と伝えることです。仮に(あり得るかも)ということであったとしても、「実際にそういう事態になったら、自分で責任を取るから。親にお金を振り込ませるようなことは絶対にしないから」と言っておきましょう。
冗談のようですが、振り込め詐欺の電話で警察官を名乗る人物に「このままだと裁判にかけられたり、刑務所に入ることになりますよ」と言われて、「どうぞ、裁判にかけてください。罪を犯したのなら、刑務所にでもどこでも入れてください」と言ったところ、電話が切れた、という話もあります。話をしても無駄、振り込むようなことはないと思わせたわけです。もし事実なら、と考えるとなかなかそうは言えないものでしょうが、それくらいの親子間の信頼関係があってもいいはずです。
第3条 警戒のための貼り紙を用意せよ
そうは言っても、分かってはいても、いざ、「警察官」や「弁護士」と名乗る人物から連絡が来て、背後にご丁寧にパトカーのサイレンの音が聞こえたり、数人の登場人物が入れ替わり立ち代り、もっともらしいセリフであたかも「劇場」のように、それらしく話をされてしまうと、つい信用してしまうようです。「振り込め詐欺~オレオレ詐欺」の存在を知っていながら、被害に遭ってしまう人がいることからも、「自分だけは」と思ってしまう人が多いということです。いくら話をしておいても、人は突然の出来事に弱いのですから、「目に見えるもの」を用意しておき、心を落ち着かせるようにしてもらいましょう。
電話機の前に、「こちらから名乗らない」「こちらから息子や夫の名前を言わない」「振り込めと言われたら、詐欺を疑え!」「振り込めと言われたら、誰それに電話すること」「警察官が示談を持ちかけることはない」「弁護士の名前と事務所の名前を聞くこと」などと書いた紙を用意して貼っておきましょう。離れたところに住む親や祖父母には、そう書いた紙を郵送したりファクスして電話機の前に貼るように伝えましょう。
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