西郷理恵子の恋愛コラム/西郷 理恵子の恋愛情報

女性が結婚に躊躇する理由(2ページ目)

なぜ女性は晩婚化、非婚化、結婚しても少子化なのでしょうか?女性には、結婚に伴ういくつかのリスクが明確になってしまったのです。その最も大きいリスクは、結婚の大きな動機にもなる、妊娠・出産を機に、女性は仕事の継続が困難になり、経済的な弱者になることです。

西郷 理恵子

執筆者:西郷 理恵子

恋愛ガイド

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1、子育て期、女性は仕事を中断。再就職後、退職前の給与で働ける可能性は低い。

女性の年齢別階級労働力率の推移

女性の年齢別階級労働力率の推移

【1】子育て期、女性は仕事を中断
妊娠・出産は、女性にとって、結婚の大きな動機になります。しかし、それが女性から仕事のキャリアを奪い、経済的な弱者になるきっかけを与えることにもなります。

現在の日本では、多くの女性が、妊娠・出産・育児を経験する場合、働くことは制限され、退職または休職により、一度は仕事から離れることを余儀なくされます。
日本女性の年齢別就労率の図表を見ると、25歳から39歳の間に、出産育児で仕事を中断するケースが、実際に多く、いわゆるM字型になっているのが特徴です。女性にとっては、子どもを産み育てたいと思うなら、それと引き換えにキャリアを手離すことが交換条件であるかのようです。

【2】再就職後、退職前の給与で働ける可能性は低い
女性は、妊娠・出産・育児をきっかけに、仕事を中断した場合、一般的に、男性に経済面で頼らざるをえない状況になります。しかし、夫の給与だけで、家族が養える時代であればまだ良かったのですが、現代は夫に完全に依存するのは困難な状況です。共働きで生計を立てている場合、女性が出産を機に仕事から離れれば、とたんに不安定な家計に陥ってしまいます。

労働者の1時間当たり平均所定内給与格差の推移

労働者の1時間当たり平均所定内給与格差の推移

たとえ、子育ての一定期間の生活が夫の収入だけで可能であっても、その後、再就職をして、キャリアをゼロからスタートする場合、元の給与と同じ賃金の仕事に就くのは難しいでしょう。

女性は、産後再就職を考えた場合、医師、看護師、弁護士、税理士、公認会計士などの専門性の高い資格があるか、余程の能力や運に恵まれない限り、以前の仕事よりも低賃金の仕事しか残されていない現実が見て取れます。
託児所などの子育て支援も充実していない現状では、子供が小さい場合、女性にとっては、正社員への道は難しく、時間の自由の効くパートタイムの仕事しか選択肢がなくなってきます。

上記の図、「勤労者の1時間当たりの平均所定内給与格差の推移」を見ると、男女の賃金格差と、女性労働者間での一般労働者と、パートタイム労働での賃金格差は、明らかです。

賃金格差の国際比較

賃金格差の国際比較

もちろん、「私は、夫の収入に頼れるから大丈夫」と思っている女性もいるでしょう。しかし、結婚には、死別・離別の可能性がゼロではありません。余程の資産家を夫にしていない限りは、安心はできないでしょう。一方、夫の暴力、浮気、風俗通い、たび重なる借金など、結婚を継続するための信頼関係が失われてしまった場合でも、女性が経済的に自立する手段がないために離婚できないという相談は少なくありませんでした。
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